【どう見るこの相場】お盆休み明けは省エネ必勝法に一工夫!クジラの持株比率上位銘柄にスタンバイ

どう見るこの相場

 「当たり屋につけ!」とは、兜町で最も簡便・省エネ、最も古典的な必勝法を教える相場格言である。面倒で小難しい経済ファンダメンタルズや企業価値の分析なしに一足飛びに「買い」の結論をゲットできるのである。当たり屋の買い注文の出る機関店の動向に網を張り、「買ったよ」と耳打ち情報が届いた瞬間に、おこぼれに与かろうと一斉にワッと群れ集った昔が懐かしい。

 しかし厄介なことに、相場格言は、その逆の「当たり屋といわれたころから曲がり出し」、さらにその逆の逆の「曲がり屋といわれたころから当たり出し」とも教えている。株式投資は、連戦連勝も連戦連敗も未来永劫続くか保証の限りではなく、どこで潮目が変わるのか見極めるためにも、当たり屋、曲がり屋の鼻息を窺う心理学的な側面や厚かましくフトコロ具合を覗き見る銭金勘定も不可欠という前提付きとなる。

 さてコロナショック安から立ち直った今年4~6月相場の当たり屋は誰か?巣ごもり投資家といわゆるクジラ、年金積立管理運用行政法人(GPIF)の2つの需要主体をあげることは、異論のないところだろう。巣ごもり投資家は、緊急事態宣言発出の外出自粛要請に呼応した「働き方改革」のテレワーク移行で、在宅のついでに新たに証券口座を開設してリモート投資にも精を出し、折からの新型コロナウイルス感染症の防疫関連株祭り、次いで新規株式公開(IPO)ラッシュにも雷同買いして荒稼ぎした。

 一方、GPIFは、今年8月7日に発表した4~6月期の運用収益額が、12兆4868億円と四半期として2016年10~12月期の10兆4971億円を上回って過去最高となり、期間収益率は8.30%に達した。2019年度の年間の運用赤字8兆2831億円をわずか3カ月で取り返した計算になる。

 では、猛暑日が続きやや夏バテ気味で、お盆休みぼけがあるかもしれないこのお盆休み明けに、手っ取り早く省エネ必勝法の「当たり屋につけ!」にトライするとしたら、巣ごもり投資家かGPIFかのいずれの当たり屋を選ぶべきか?甲乙はつけがたいが、巣ごもり投資家は、その後のIPO株のセカンダリーをみるにつけ、全員が高値で売り抜けたかどうか他人事ながら心配が先に立ち、何だか「当たり屋といわれたことから曲がり出し」のにおいもする。一方、GPIFの高パフォーマンスは、コロナショック安も金持ち喧嘩せずとばかり慌てず騒がず、ドタバタしなかったことが要因のようで、その後も一転した世界同時株高の恩恵が続いていそうだ。

 当たり屋としてはGPIFに追随するのが正解のようで、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式などの運用資産状況を開示し、保有株式の時価総額、持株比率なども公表にしており、「当たり屋につけ!」ならこのポートフォリオが参考になる。このうち国内株式の運用資産は、2019年度実績では、35兆5680億円で上場会社の2388社に投資し、日本全体の時価総額の約6.4%を占めた。

 この2388社については持株比率、時価総額も一覧で開示しており、例えば時価総額ではトヨタ自動車<7203>(東1)、ソニー<6758>(東1)、NTT<9432>(東1)がトップスリーで、持株比率では、第1位の東京精密<7729>の14.22%以下、ニフコ<7988>(東1)、ネットワンシステムズ<7518>(東1)と続く。ここからどの銘柄から「当たり屋につけ!」が可能か明らかになるはずでスタンバイしたい。

 今週の当特集は、この持株比率上位銘柄から一工夫して有望株として勝ち組銘柄、負け組銘柄として取り上げてみることとした。望むべくはGPIFが、「当たり屋といわれたころから曲がり出し」とならないことを願うや切である。

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