マルマエは受注回復基調(20年7月の受注残高は前年比19.4%増)

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 マルマエ<6264>(東1)は半導体・FPD製造装置向け真空部品などの精密切削加工事業を展開している。日本製半導体製造装置市場の停滞で中期事業計画の目標値を下方修正する形となったが、20年8月期は大幅増益予想である。20年7月度の月次受注残高は前年比19.4%増と好調だった。受注が回復基調であり、好業績を期待したい。株価は7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■半導体・FPD製造装置向けの精密切削加工事業

 半導体・FPD(フラットパネルディスプレー)製造装置に使用される真空部品や電極などの精密切削加工事業を展開している。

 パイオニアプラズマディスプレイ鹿児島工場の一部を取得し、18年4月出水事業所として稼働、電子ビーム溶接(EBW)関連の生産も開始した。19年2月には本社を出水事業所内に移転し、本社機能の充実や業務の効率化を推進している。

 作業補助・介護ロボットの開発(鹿児島大学と共同研究)では、18年7月第二種医療機器製造販売業の許可を取得し、医療機器製造業の登録を行った。

■22年8月期営業利益20億円目標

 中期事業計画(19年8月期~)については、日本製半導体製造装置市場の成長率が、18年10月の事業計画策定時点の想定4%成長を下回り、19年度にはマイナス7.8%と減退するなど大きな乖離が生じているため、計画期間を1年間延長するとともに数値目標も修正した。

 新たな数値目標としては、22年8月期の売上高70億円、営業利益20億円、資産ベースROIC18%、負債ベースROIC14%、配当性向30%以上、年間最低配当額10円(最終損益が赤字となる場合は見直しを行う)を掲げている。

 半導体分野ではEBWも活かして既存顧客からの受注品種拡大を推進する。デバイスメーカーの稼働向上で消耗品の拡大を見込んでいる。新規顧客獲得に関しては、既に2社獲得済(1社は20年度量産開始済、1社は試作品提供開始済)である。FPD分野は21年度に市場の若干縮小を想定しているが、EBWを活かして新規顧客を獲得済であり、同業他社の撤退などによって市場シェア拡大も見込んでいる。

■20年7月の受注残高は前年比19.4%増と好調

 なお月次受注残高(速報値)を見ると、20年7月は半導体分野が5億81百万円(前月比3.1%減、前年同月比26.2%増)、FPD分野が2億62百万円(前月比4.5%増、前年同月比6.7%増)、その他分野が4百万円、合計が8億48百万円(前月比0.8%減、前年同月比19.4%増)となった。検収が高水準で推移したため前月比では減少だが、前年比では2桁増と好調だった。19年2月の合計6億20百万円をボトムとして受注回復基調である。

 今後の動向として、半導体分野は9月まで一時的な投資の停滞が見込まれるが、その後は年末に向けて回復する見込みとしている。FPD分野は市場が停滞気味だが、シェア拡大で堅調見込みとしている。

■20年8月期大幅増益予想

 20年8月期の業績(非連結)予想(6月10日に売上高を下方修正、各利益を大幅に上方修正)は、売上高が19年8月期比8.6%増の43億64百万円、営業利益が73.1%増の8億58百万円、経常利益が72.9%増の8億25百万円、純利益が48.4%増の6億48百万円としている。配当予想は19年8月期と同額の15円(第2四半期末10円、期末5円)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比7.9%増の31億82百万円、営業利益が75.8%増の6億29百万円、経常利益が73.8%増の6億円、そして純利益が2.2倍の4億93百万円だった。半導体分野は2.2%減収だが、FPD分野がEBW関連の好調で72.7%増収と大幅伸長した。コスト面では減価償却費が増加したが、限界利益率の良い案件が増加して大幅増益だった。なお受注は半導体分野が13.1%増、FPD分野が81.0%増だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高72.9%、営業利益73.3%と順調だった。日本製半導体製造装置市場の停滞で中期事業計画の目標値を下方修正する形となったが、20年8月期は大幅増益予想である。受注が回復基調であり、通期ベースでも好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年8月末時点で6ヶ月以上保有株主対象

 株主優待制度は、毎年8月末日現在6ヶ月以上継続1単元(100株)以上保有株主を対象として、クオカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は戻り試す

 株価は7月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。8月24日の終値は947円、今期予想PER(会社予想EPS50円06銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想15円で算出)は約1.6%、前期実績PBR(前期実績BPS406円65銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約124億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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