【注目銘柄】三菱総研は増配催促に「デジタル庁」関連の割安株買いがオンして続急伸

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三菱総合研究所<3636>(東1)は、前日23日に115円高の4465円と続急伸して引け、2月6日につけた年初来高値4824円を意識する動きを強めた。同社の今2020年9月期の配当は、8期連続の増配が予定されているが、権利付き最終日の9月28日を前に、さらに設立50周年の記念配当の上乗せを催促する配当権利取りの買い物が増勢となった。また菅新内閣の目玉政策となっている「デジタル庁」新設関連の出遅れ総合シンクタンク株として割安修正期待も高めている。

■8期連続の増配もさらに設立50周年の記念配当上乗せを期待

 同社の配当は、2012年9月期の年間30円から連続増配され、今2020年9月期は年間100円(中間配当・期末配当各50円)と予想されている。ただ今期が、設立50周年となることから記念増配が観測されており、東洋経済会社四季報最新号では年間100円~110円と増配含みとしている。前2019年9月期も、業績が予想を上ぶれて着地したことから期末配当を45円から50円に引き上げ年間95円(前々期実績85円)に増配しており再現期待につながっている。

 これは、今2020年9月期業績が、昨年12月、今年8月と2回も上方修正されたことが背景となっている。Minoriソリューションズの株式公開買い付けへの応募による特別利益、アイネス<9742>(東1)株式の追加取得・持分法適用会社化による負ののれん発生益などが寄与し、官公庁、金融機関向けのシンクタンク・コンサルティングサービス案件が伸長し、金融機関向けITサービスのシステム案件などが順調に推移したことが要因となった。業績そのものは売り上げ925億円(前期比2.7%増)、営業利益55億円(同7.2%増)、経常利益75億円(同31.1%増)、純利益66億円(同83.3%増)と予想されており、純利益は、2017年9月期の過去最高の38億3300万円(2017年9月期)を3期ぶりに更新する。

 来期業績も、「デジタル庁」関連で官公庁向けコンサルティングサービスやAI(人工知能)を活用した自治体相談業務支援サービスの本格開発などが寄与して続伸が見込まれる。

■期末の配当権利取りとPER10倍台の修正で年初来高値は一通過点

 株価は、今年2月の負ののれん益発生で年初来高値4825円へ急伸し、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安で同安値2560円へ急落、売られ過ぎ修正で底上げし第2四半期の好決算も加わって4520円まで8割高した。今期業績の再上方修正では、反応は限定的で25日移動平均線を出没する中段固めを続け、足元ではこれを上放れてきたが、PERは10倍台とシンクタンク株ではなお割安放置を示唆している。期末配当取りのインカム・ゲイン妙味とともに、株価的にも年初来高値奪回を一通過点に2018年7月につけた上場来高値5500円を目指そう。

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