ファンデリーは底値圏、21年3月期は新工場と新商品で後半の収益拡大期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ファンデリー<3137>(東マ)は健康食宅配事業を主力として、ヘルスケア総合企業を目指している。健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」への賛同企業も相次いでいる。21年3月期は新工場の稼働と新商品「旬をすぐに」の拡販で後半の収益拡大を期待したい。株価は水準を切り下げて軟調だが、ほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。なお10月30日に第2四半期決算発表を予定している。

■健康食宅配サービスのMFD事業が主力

 健康食宅配サービスのMFD(Medical Food Delivery)事業を主力として、マーケティング事業も展開している。20年3月期事業別売上高構成比はMFD事業89%、マーケティング事業11%だった。

 MFD事業は健康食(冷凍弁当)の通販カタログ「ミールタイム」などを医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から注文を受けて宅配する。従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指していることが特徴だ。管理栄養士・栄養士が顧客の疾病・制限数値・嗜好などに合わせてメニューを選び、定期的に届ける「栄養士おまかせ定期便」も提供している。

 全国の医療機関や調剤薬局など2万ヶ所以上の紹介ネットワークを通じた効率的な顧客獲得、専門性の高い栄養士による「ヘルシー食」など多様な健康食の開発やカウンセリングが強みである。また初の生産拠点となる新工場が稼働し、SPA(製造小売業)モデルへの転換を推進している。

 マーケティング事業は健康食宅配サービスから派生した事業として、食品メーカーなどへの健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、食品メーカーからの商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などを展開し、収益源の多様化を推進している。

■MFD事業の会員数は増加基調

 MFD事業の会員数は、15年3月期末15万2771人、16年3月期末18万2905人、17年3月期末20万3441人、18年3月期末22万1727人、19年3月期末24万4651人、20年3月期末25万9985人と増加基調である。

 また20年3月期末の定期コース会員数は8318人だった。定期コース売上比率は概ね60%以上、1件あたり購入単価は概ね7000円前後で推移している。

■健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」を開始

 日々の食事において塩分摂取量を適正に保つことの重要性を啓蒙し、日本全体の健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」を開始した。20年4月から3年間の活動を予定している。

 賛同企業として20年6月には、にんべん、エバラ食品工業、はごろもフーズ、ポッカサッポロフード&ビバレッジ、キング醸造、理研ビタミン、7月には東洋水産、キッコーマン、ハナマルキ、ヤマキ、紀文食品、日清食品、ミツカン、ひかり味噌、神州一味噌、8月にはピエトロ、湖池屋、宝酒造、9月には田中食品、白鶴酒造、シマヤ、日清フーズが相次いで新規加入している。

■新商品「旬をすぐに」の10万食サンプリングキャンペーンを全国で展開

 20年7月には新商品「旬をすぐに」の発売を開始した。健康な身体はバランスの良い食事からという考えのもと、食の安心・安全にこだわり、国産食材100%であること、健康被害の恐れのある67種類の食品添加物を使用していないこと、食材ごとに異なる最適な加熱温度特許技術で1℃単位のコントロールを行っていること、冷凍工学に基づいた究極の特許冷凍技術で-70℃の瞬間凍結を行っていることなど、従来の冷凍弁当とは一線を画すクオリティを特徴としている。

 管理栄養士が考えた栄養バランス、特許加熱・冷凍による美味しさが特徴のメニュー構成である。また独自のネットワークを活用して四季ごとの旬の国産食材を使用するため、同じメニューは一度しか作らない「一期一会のメニュー」としている。

 なお工場の稼働も安定したため、一段の飛躍に向けた「旬をすぐに」10万食サンプリングキャンペーンを全国の医療機関、栄養士養成施設、保育園などで展開する。

■21年3月期は後半の収益拡大期待

 21年3月期業績(非連結)予想は、売上高が20年3月期比50.2%増の50億28百万円、営業利益が7.4%減の5億円、経常利益が8.4%減の4億91百万円、純利益が8.9%減の3億14百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の3円(期末一括)である。

 新工場の稼働と新商品「旬をすぐに」の製造・販売開始で大幅増収だが、人件費や物流費などの増加で減益予想としている。事業別の計画は、MFD事業が51.5%増収で20.9%減益、マーケティング事業が39.5%増収で37.6%増益としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比16.8%減の7億55百万円で、営業利益が84.9%減の25百万円、経常利益が86.6%減の22百万円、そして純利益が85.9%減の15百万円だった。

 MFD事業は15.5%減収で65.8%減益だった。新型コロナウイルスの影響で医療機関からの新規紹介が減少し、新規会員獲得ペースが鈍化した。前年のテレビ番組で紹介された反動や、新工場稼働に係る初期費用なども影響した。20年6月末時点の会員数は19年6月末比1万3319人増加の26万3298人、定期コース会員数は702人減少の8117人だった。マーケティング事業は27.4%減収で32.1%減益だった。新型コロナウイルスで営業活動が制限された。

 第1四半期は新型コロナウイルスの影響などで減収減益だったが、通期ベースではMFD事業で商品力強化による継続率向上、マーケティング事業で大型案件獲得に注力する方針だ。新工場の稼働と新商品「旬をすぐに」の拡販で後半の収益拡大を期待したい。

■23年3月期営業利益20億円目標

 中期経営計画「will2022」では目標値に23年3月期売上高100億円、営業利益20億円、営業利益率20%を掲げている。セグメント別目標は、MFD事業が売上高91億円、営業利益20億円、マーケティング事業が売上高6億円、営業利益4億円、新設予定のメディア事業が売上高3億円、営業利益2億円、営業利益調整の全社費用6億円としている。

 MFD事業では新工場稼働によってSPAモデルへの事業構造転換を推進し、圧倒的NO.1の健康食ブランドの確立を目指す。マーケティング事業では、医療機関リコメンドサンプリングを成長ドライバーとして大型契約獲得を推進し、商品力を高めてTVCMと競争できるサービス提供を目指す。新設予定のメディア事業では、ポイント家電を軸に自社の強みを活かした新事業を創出し、第3の収益柱を目指す。

 一人暮らし高齢者の増加、生活習慣病患者や食事制限対象者の増加などで健康食宅配市場は拡大基調である。健康食メニュー開発力を強みとして、中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は水準を切り下げて軟調な展開だが、ほぼ底値圏だろう。調整一巡して出直りを期待したい。10月20日の終値は689円、今期予想PER(会社予想のEPS48円77銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約0.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS477円13銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約44億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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