寿スピリッツは先高観、21年3月期は後半「Go To トラベル」効果期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、首都圏エリア強化や商品プレミアム化などの重点施策を推進している。21年3月期第2四半期累計の売上高(概算)は前年比64.7%減収だった。新型コロナウイルスの影響で当面は厳しい状況だが、後半は「Go To トラベル」効果で緩やかな回復を期待したい。株価は戻り一服だが、週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスで先高観を強めている。出直り本格化を期待したい。なお11月4日に第2四半期決算発表を予定している。

■「お菓子の総合プロデューサー」として地域限定ブランド菓子を展開

 地域限定ブランド菓子の製造・販売を展開する持株会社で、全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げている。さらにWSR(ワールド サプライジング リゾート)宣言を経営スローガンに掲げ、中期経営目標を売上高経常利益率20%としている。

 主要子会社(セグメント)は、ショップブランド「東京ミルクチーズ工場」などを展開するシュクレイ、「LeTAO」などを展開するケイシイシイ、「お菓子の壽城」などを展開する寿製菓・但馬寿、「赤い風船」などを展開する九十九島グループ、および「コンディトライ神戸」などを展開する販売子会社(東海3社、中国・九州4社、関西2社)である。

 20年3月期の販売チャンネル別売上構成比は、通信販売6.4%(うちルタオ通販5.0%)、店舗販売(直営店舗、催事)43.3%、卸売(駅・空港・高速道路SAなどの小売店、代理店卸、OEM)46.6%、海外3.6%、その他0.1%だった。

 駅・空港・高速道路SAなど、交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴である。またクリスマス・年末年始・バレンタイン・ホワイトデー商戦などで、下期の構成比が高い季節特性もある。

■首都圏WSR化展開など重点施策を推進

 重点施策としては、ハイブリッド店舗などビジネスモデル・商品・売場・販売のGTS(グレート・トランスフォーメーション・サクセス)化、免税売場拡大などインバウンド対策の強化、海外における事業モデル構築、首都圏でのWSR化展開(シュクレイの既存店売上拡大、新規出店、および催事・卸売拡大、グループ各社の主力ブランドの催事展開)などを推進している。

 また新たな重点施策としてメインとニューの項目を掲げ、既存ブランド・既存店・既存商品のさらなる深化、新ブランド・新店舗・新商品で新たな世界観創出することを目指している。

 重点施策の20年3月期売上高は、インバウンド(国際線ターミナル売店卸売上)が19年3月期比16.7%増の53億75百万円、海外(現地法人売上+ロイヤルティ含む国内出荷売上)が23.5%増の16億28百万円、シュクレイ(首都圏WSR化)が16.9%増の161億99百万円だった。

■21年3月期は後半「Go To トラベル」効果期待

 21年3月期第2四半期累計の売上高(概算)は前年同期比64.7%減の79億10百万円だった。新型コロナウイルスによる店舗臨時休業、外出・移動・帰省の自粛、インバウンド需要の消失で大幅減収だった。

 セグメント別にはシュクレイが71.1%減収、ケイシイシイが51.7%減収、寿製菓・但馬寿が67.3%減収、販売子会社が77.4%減収、九十九島グループが68.5%減収、その他が44.6%減収だった。ケイシイシイの通信販売が伸長したが、総じて大幅減収だった。

 ただし四半期別に見ると、緊急事態宣言発が発令された第1四半期の74.4%減収に対して、第2四半期は55.8%減収となり、減収幅が縮小した。7月~8月は新型コロナウイルス感染再拡大に伴う移動・帰省自粛の影響を受けたが、9月に入って「Go To トラベル」の効果で緩やかな回復傾向となった。月別に見ると7月が56.7%減収、8月が60.8%減収、9月が48.6%減収だった。

 通期の連結業績予想および配当予想は未定としている。新型コロナウイルスの影響を踏まえた緊急対策として、感染予防策の徹底、コスト削減、資金流動性の確保、在庫の適正化、収束後を見据えた新ブランド・新商品開発の準備、通信販売の対策強化を推進する。なお8月にはシュクレイとケイシイシイが、JR東京駅に開業した新商業施設に新ブランドを含めた合計7店舗を出店した。新型コロナウイルスの影響で当面は厳しい状況だが、後半は「Go To トラベル」効果で緩やかな回復を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月末現在の100株以上保有株主を対象に、保有株式数に応じて自社グループ製品や直営店舗利用優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は先高観

 株価は戻り一服の形となったが、着実に下値を切り上げている。週足チャートで見ると、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスを示現して先高観を強めている。自律調整を交えながら出直り本格化を期待したい。10月21日の終値は5270円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS680円11銭で算出)は約7.7倍、時価総額は約1640億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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