【注目銘柄】神戸物産は小反落も3Q好決算が支援し株式分割の権利取りに一考余地

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 神戸物産<3038>(東1)は、前日26日に20円安の5490円と小反落して引けた。東証第1部の売買代金が、11営業日連続で2兆円割れとなる薄商いのなか、日経平均株価が22円安と反落したことが響き同社株にも売り優勢となった。ただ取引時間中に5590円と続伸する場面もあり、今年10月31日を基準日に実施する株式分割(1株を2株に分割)の権利付き最終日が明28日に迫っていることから権利取りの買い物も交錯した。また今年9月10日に開示した今2020年10月期第3四半期(2019年11月~2020年7月期、3Q)業績が大幅続伸して着地したことを見直し業績上ぶれ期待を高めてフォローの材料視されている。

■店舗拡大、PB比率アップで3Q業績は高利益進捗率

 株式分割は、同社株式の投資単位水準を引き下げ流動性の向上と投資家層のいっそうの拡大を図ることを目的にしている。同社は、2018年、2019年も連続してやはり10月31日を基準日に1対2の株式分割を実施しており、このいずれもがその後分割の権利落ちを埋めた。このうち2019年は、5980円で権利を落とし、今年8月に7140円まで買い進まれるなど落ち分を埋めさらに上値を追った。今回も再現期待を高めている。

 一方、今期3Q業績は、売り上げ2593億6200万円(前年同期比17.7%増)、営業利益186億7900万円(同28.9%増)、経常利益184億8500万円(同28.9%増)、純利益116億5600万円(同25.4%増)と大幅に伸び、期初予想を据え置いた今10月期通期予想業績に対する進捗率は売り上げが83%、利益が83%~92%と目安の75%を大きく上回った。新型コロナウイルス感染症拡大による巣ごもり消費でプライベート(PB)商品を中心に好調に推移し、PB比率が前年同期の30.74%から31.45%に拡大し、店舗数も同じく833店が866店に増加したことなどが寄与した。

 今10月期通期業績は、売り上げ3118億円(前期比4.1%増)、営業利益203億円(同5.5%増)、経常利益203億円(同4.5%増)、純利益133億円(同10.3%増)と見込んでいるが、3Q高進捗率業績からは上ぶれ着地期待が高く、市場コンセンサスでも今期純利益は157億円と観測されている。

■ダブル底から2018年、2019年の権利埋めの再現も期待大

 株価は、コロナ・ショックで突っ込んだ年初来安値3400円から巣ごもり消費関連株人気で底上げし、月次業績の続伸や今期第2四半期業績の上方修正が追い風になって年初来高値7140円まで2.1倍化した。ただこの株価大化けとともに信用買い残もやや積み上がり、その後の月次業績の好調推移や今期3Qの好決算は材料出尽くし感を強めて5170円まで調整、株式分割を好感していったん5980円までリバウンドしたが、再び下値を探り足元では5200円台でダブルボトムを形成している。2018年、2019年の権利埋めの再現を期待して明28日の権利取りも一考余地がありそうだ。

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