ティムコは急動意、アウトドア人気で21年11月期収益拡大期待

ティムコ<7501>(JQ)はフィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。20年11月期は新型コロナウイルス影響で減収・赤字予想だが、第2四半期をボトムとして回復基調である。3密を避けるためのアウトドア人気も追い風として21年11月期の収益拡大を期待したい。株価は急動意の形となって年初来高値を更新した。月足チャートで見ると底放れの動きだ。低PBRも評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・販売

 フィッシング用品およびアウトドア用品の企画・開発・販売事業を展開している。19年11月期の事業別売上高構成比はフィッシング事業が28%、アウトドア事業が71%、その他(不動産賃貸収入など)が1%だった。

 基本戦略として規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、オリジナルアウトドア衣料ブランドである「Foxfire」の商品力強化や、直営店舗「Foxfire Store」の収益力向上に取り組んでいる。

 19年4月にはスノーピーク<7816>と資本業務提携し、スノーピークが第1位株主となった。商品開発・販売などを共同展開する。

■20年11月期が減収・赤字予想、21年11月期収益拡大期待

 20年11月期の業績(非連結)予想および配当予想(9月30日公表)は、売上高が19年11月期比14.0%減の25億14百万円、営業利益が1億62百万円の赤字(19年11月期は4百万円の赤字)、経常利益が1億57百万円の赤字(同1百万円の黒字)、純利益が1億98百万円の赤字(同13百万円の赤字)、配当が6円60銭減配の5円40銭(期末一括)としている。

 3四半期累計は、売上高が前年同期比15.2%減の18億34百万円、営業利益が1億28百万円の赤字(前年同期は4百万円の赤字)、経常利益が1億23百万円の赤字(同0百万円の赤字)、純利益が1億64百万円の赤字(同16百万円の赤字)だった。新型コロナウイルスによる店舗臨時休業・営業時間短縮の影響で大幅減収となり、各利益は赤字だった。なお特別損失に直営店舗臨時休業に係る損失39百万円を計上、特別利益に雇用調整助成金16百万円を計上した。

 第3四半期累計は減収・赤字だったが、四半期別に見ると第1四半期は売上高が6億22百万円で営業利益が51百万円の赤字、第2四半期は売上高が4億52百万円で営業利益が55百万円の赤字、第3四半期は売上高が7億60百万円で営業利益が22百万円の赤字となり、緊急事態宣言発令で大きな影響を受けた第2四半期をボトムとして回復基調である。

 フィッシング事業は、第3四半期に屋外におけるアクティビティ活発化の影響で売上高が56.0%増と急増し、第3四半期累計ベースでも売上高が3.8%増、営業利益が30.6%増と回復した。アウトドア事業は、第3四半期累計ベースで売上高が24.2%減、営業利益が68百万円の赤字(前年同期は80百万円の黒字)だった。第2四半期に店舗臨時休業や外出自粛による登山客減少で大きく落ち込んだため第3四半期累計ベースでも減収だが、営業赤字が縮小した。

 新型コロナウイルスの影響で通期も減収・赤字予想だが、第2四半期をボトムとして回復基調である。さらに3密を避けるためのアウトドア人気も追い風として21年11月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は11月末の株主対象

 株主優待制度は毎年11月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じてFoxfire Store20%OFFお買物優待券を贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価は急動意

 株価は急動意の形となって一気に年初来高値を更新した。月足チャートで見ると底放れの動きだ。低PBRも評価材料であり、07年以来の1000円台が視野に入りそうだ。上値を試す展開を期待したい。10月26日の終値は764円、今期予想配当利回り(会社予想の5円40銭で算出)は約0.7%、前期実績PBR(前期実績のBPS1928円86銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約26億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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