加賀電子は21年3月期営業・経常利益予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

(決算速報)
 加賀電子<8154>(東1)は11月5日の取引時間終了後に21年3月期第2四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響で減収、営業・経常減益だが、社内計画に対して上振れたため、通期の売上高と営業・経常利益予想を上方修正した。従来予想に比べて営業・経常減益幅が縮小する見込みだ。下期を保守的な予想としており、通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。株価は上方修正を好感して戻りを試す動きを強めそうだ。

■21年3月期2Q累計は営業・経常減益だが計画超、通期上方修正

 21年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年比18.1%減の1888億59百万円、営業利益が15.4%減の44億34百万円、経常利益が21.8%減の43億38百万円、純利益が3.1倍の107億72百万円だった。なお純利益はエクセル買収に伴う負ののれん益計上で大幅増益だった。

 情報機器事業は大幅伸長したが、電子部品事業が大幅減収減益だった。富士通エレクトロニクスにおける大口商権解消に加えて、EMSビジネスでは新型コロナウイルスの影響で車載関連や空調関連などの需要が減少した。ただし第2四半期から需要が徐々に回復して社内計画に対して上振れた。営業利益は第1四半期の16億56百万円に対して、第2四半期は27億78百万円と回復傾向を強めている。

 通期の連結業績予想は売上高と営業・経常利益を上方修正して、売上高が20年3月期比7.6%減の4100億円、営業利益が25.1%減の75億円、経常利益が26.0%減の75億円、純利益(従来予想を据え置き)が70.9%増の100億円とした。従来予想に比べて営業・経常減益幅が縮小する見込みだ。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高46.1%、営業利益59.1%、経常利益57.8%、純利益107.7%である。下期を引き続き保守的な予想としているが、テレワーク化などの流れで情報機器関連が順調であり、電子部品・EMSでは車載関連も回復基調が予想される。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。

■株価は戻り試す

 株価は戻り高値圏から反落して水準を切り下げる形だが、上方修正を好感して戻りを試す動きを強めそうだ。11月5日の終値は2045円、時価総額は約587億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る