アルコニックスは21年3月期通期利益再上振れの可能性

(決算速報)
 アルコニックス<3036>(東1)は11月5日の取引時間中に21年3月期第2四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だが、期初計画に対して減益幅が縮小した。通期も減収減益予想(10月27日に営業・経常利益を上方修正)だが、利益は再上振れの可能性がありそうだ。株価は上方修正に対して反応薄だったが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期2Q累計は計画比減益幅縮小、通期利益再上振れの可能性

 21年3月期第2四半期累計の連結業績(10月27日に売上高、利益とも上方修正済み)は、売上高が前年同期比18.8%減の961億47百万円で、営業利益が8.9%減の24億59百万円、経常利益が15.9%減の24億95百万円、純利益が36.6%減の12億12百万円だった。

 新型コロナウイルスによる経済収縮の影響で減収減益だが、前期計上したレアメタルの棚卸資産評価損が解消したため、売上の減少に比べて利益の減少が小幅にとどまった。またリモートワークの流れを背景にIT機器や半導体関連の需要が増加して売上高が計画を上回り、人的移動制限に伴う販管費減少も寄与して計画に比べて減益幅が縮小した。

 通期の連結業績予想(10月27日に売上高を下方修正、営業・経常利益を上方修正、純利益を据え置き)は、売上高が20年3月期比18.2%減の1900億円、営業利益が13.1%減の45億円、経常利益が15.1%減の46億円、純利益が33.7%減の24億円としている。新型コロナウイルスの影響で通期も減収減益予想だが、期初計画に比べて営業・経常減益幅が縮小する。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.6%、営業利益が54.6%、経常利益が54.2%、純利益が50.5%である。当面は欧州における新型コロナウイルス感染再拡大の影響が意識されるが、一時期急減した自動車関連需要が底打ちして回復傾向であり、会社予想はやや保守的だろう。通期利益は再上振れの可能性がありそうだ。

■株価は戻り試す

 株価は9月の年初来高値圏から反落し、上方修正に対しても反応薄だったが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月5日の終値は1477円、時価総額は約383億円である。

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