【材料でみる株価】公募発表で下げたアーバネットは今6月期の配当利回り約4%に上昇、6期連続増益、中期妙味

材料でみる株価

アーバネットコーポレーション<3242>(JQ・売買単位100株)は25日に341万株の公募増資を発表しことを受けて26日は前場で38円安の337円と値を下げた。公募増資発表銘柄に共通してみられる1株利益の希薄化を嫌って短期投資家が売ってくるためだ。

4月7日につけた年初来高値392円に対し高値圏でモミ合っていた水準を下に放れたことで、当面は下値模索となるだろう。それでも、年初来安値267円に対しては余裕のあることは注目だろう。

中期的には、CYBERDNEやユーグレナなどのように公募増資銘柄は活躍している。公募増資による調達資金で業績拡大に対する期待が高まるからである。

同社は東京23区を主たる開発地域として、(1)投資用マンション開発・1棟販売(卸売)、(2)分譲用マンションの開発・分譲(小売)、(3)事業用地の仕入販売・不動産販売の仲介業務、(4)設計・施工管理の業務受託及び不動産賃貸、などを手掛けている。

今回の増資による調達資金は13億5000万円ていどの見通し。2016年4月末までに約3億1000万円を開発中の賃貸不動産の開発資金の一部、2015年8月末までに開発中の販売用不動産の開発資金の一部として5億7000万円、残額を2016年8月までに借入金の返済にそれぞれ充当する予定だ。

開発エリアを人口増加が続きビジネス活動の活発な東京23区に絞っていることで収益基盤はしっかりしている。今6月期は6期連続の営業増益の見通し。とくに、今回の増資資金充当予定の販売用不動産は、最近、日本の不動産購入に積極的な中国・台湾を核とする海外投資家への戸別販売を予定している。

2015年6月期は売上118億円(前期104億8400万円)、営業利益16億円(同11億8600万円)の見通し。とくに、第3四半期において営業利益14億4700万円と通期予想に対する伸長率は90.4%となっていることから通期上振れの可能性がありそうだ。1株利益40.7円、配当は年13円の見通し。

短期的には350~400円での下値固めとみられるが、中期的には配当水準等からみて500円台へ評価されてくるものとみられる。

足元330円台は配当利回り3.85%と高い。とくに、期末8円配当(中間5円実施済み)に対してでも所有期間利回りは2.3%台と魅力的である。配当狙いの中期スタンスで仕込むところだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る