【どう見るこの相場】9日間連騰!日経平均の行方

■昨年8月にも9日連騰の800円高で調整入り、ポイントは円相場しだい

<Q>日経平均が連日、値を上げているようだが。

<A>日経平均は終値で捉えると、去る、5月15日から5月27日まで9営業日連続高となっている。この間の上げ幅は約802円となっている。

<Q>連騰記録は、いつ以来か。

<A>今年2月中旬に5日連続高はあるが、9日連騰ということになれば、昨年8月11日から8月21日までの9日連続高以来ということになる。この時の上げ幅は約808円だった。

<Q>今回の連騰の背景は何か。

<A>根底には、日本企業がROE重視に転じたこと、3月期決算の好調、安倍政権に対する信頼などから外国人投資家が強気で臨んでいることがあるだろう。これに加え、先ごろ今年1~3月のGDPが発表となり昨年10~12月期に続いて2期連続のプラスとなったことで日本の景気に対し上向きの方向性がはっきりしたこと、さらに、ドル高・円安の進んでいることが日経平均の上げに勢いが加わっている。

<Q>1ドル123円まで来た円安はどこまで行くか。

<A>今回は円安というよりドル高の要素が強いといえる。アメリカの利上げ接近の匂いをかぎ取ったものと思われる。実際に利上げが確実となれば、一応、材料的には出尽くしとなってドル高は終息するだろう。ただ、利上げは1回で終わることはないので、先行き2回目、3回目の利上げを材料に基調的にはドル高となることは予想される。短期的には2007年の124円台がフシではないかと思われる。

<Q>日経平均の行方は。

<A>経験則では9日連騰、800円高となっていることは警戒だろう。中長期的には別としても短期的には調整が近いのではないかと思われる。とくに、ドル高・円安が、逆方向に動けば調整は大きくなる可能性もあるだろう。上げ幅の半値押しの400円安ていどは頭に入れておくところだろう。とくに、指標的存在のトヨタ自動車が年初来高値8783円(3月24日)を抜くことができるかどうかはポイントだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る