【注目銘柄】スターゼンは反落も巣ごもり享受の業績上方修正を手掛かりに押し目買いも一法

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スターゼン<8043>(東1)は、前日25日に115円安の4310円と3営業日ぶりに急反落して引けた。前日午後に東京都が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のために飲食店などに時短営業を再要請すると伝わり、外食産業向けに食肉や加工食品を供給している同社業績への影響を懸念して利益確定売りが増勢となった。しかし、同社は、今年11月2日に外食産業向けの落ち込みを巣ごもり消費関連の家庭用需要でカバーして、今2021年3月期業績を上方修正しており、今後も同様の展開が想定されるとすれば押し目は買いに分があることになる。テクニカル的にも、前日は急反落で大陰線を引いたが、下値は切り上げ25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜くゴールデンクロス(GC)を示現して示唆した上昇トレンド転換には変わりはなく、買い手掛かりとなりそうだ。

■内食志向の家庭向け食肉が好調に推移して外食向け減少をカバー

 同社の今2021年3月期予想業績は、期初予想より売り上げを150億円、営業利益を29億円、経常利益を35億円、純利益を22億円それぞれ引き上げ、売り上げ3450億円(前期比1.8%減)、営業利益55億円(同30.0%増)、経常利益71億円(同22.5%増)、純利益50億円(同2.86倍)と見込み、増益転換率を拡大させる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、外食産業向けの食肉事業は減少したが、これをカバーするほどに内食志向を強めた家庭用需要が好調に推移し、加工食品事業でも、家庭用に焼肉キット商品などの取り扱いが増加し、前期から進めている業務プロセス改革プロジェクト効果や、人員配置見直しによる業務平準化も加わり上方修正につながった。

 なお純利益は、前期に計上した収益性の低下した固定資産の減損損失や子会社ののれん減損損失が一巡してV字回復する。また今期の年年間配当は、期初予想通り110円(前期実績110円)を予定している。

■PERは8倍台、PBRは0.8倍とバリュー株妙味を示唆

 株価は、前期業績の上方修正に反応した今年2月の4565円高値からコロナ・ショック安に巻き込まれて年初来安値3575円まで調整し、巣ごもり消費関連株買いと外食産業で数少ない勝ち組となっている日本マクドナルドホールディングス<2702>(JQS)の関連人気で買い戻され年初来高値4780円をつけた。同高値からいったん3760円まで下値を確認する再調整となったが、今期第1四半期の好決算で4255円へ下値を切り上げ、今期業績の上方修正で窓を開けて急伸し、4475円の戻り高値をつけた。この間、25日線と75日線が交錯するGCも示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは8倍台、PBRは0.80倍、配当利回りは2.55%とバリュー株妙味いっぱいであり、年初来高値更新から2018年8月以来の5000円台回復も想定範囲内となってくる。

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