アイフリークモバイルはモミ合い煮詰まり感、21年3月期黒字予想

 アイフリークモバイル<3845>(JQ)は、コンテンツ事業およびコンテンツクリエイターサービス事業を展開し、中期成長に向けてユーザー数の拡大やデジタルコンテンツ資産の有効活用などを推進している。21年3月期黒字予想としている。収益改善を期待したい。株価は上値が重くモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。調整一巡して上放れを期待したい。

■コンテンツ事業とコンテンツクリエイターサービス事業を展開

 携帯電話・スマートフォン向けコンテンツ企画・開発・配信のコンテンツ事業、WEBコンテンツ制作・システム受託開発および人材派遣のコンテンツクリエイターサービス事業を展開している。

 20年3月期の売上高構成比はコンテンツ事業17%、コンテンツクリエイターサービス事業83%、営業利益構成比(連結調整前)はコンテンツ事業119%、コンテンツクリエイターサービス事業▲19%だった。

 コンテンツ事業は、デジタル素材「デココレ」を主力として、電子絵本アプリや知育アプリなどの親子向けサービス、オリジナル絵文字やグループチャットを搭載したウォレットアプリ「Challet」も展開している。

 デジタルコンテンツの確保にあたっては、クリエイター支援のWEBサイト「CREPOS」によって外部クリエイターを組織化している。20年9月には「CREPOS」をリニューアルした。

 20年1月にはソフトウェア開発のリアリゼーションを子会社化、ソフトウェア開発のリアルタイムメディア(20年3月にアイフリークスマイルズに吸収合併)を子会社化して同社の子会社ファンレボを子会社化した。

 12月15日には、コンテンツクリエイターサービス事業を展開する子会社アイフリークGAMESを吸収合併(21年2月1日付予定)すると発表した。また子会社のアイフリークスマイルズがファンレボの全株式を譲渡(21年1月1日付予定)すると発表した。ファンレボは連結から除外される。

■ユーザー数拡大とデジタルコンテンツ資産の有効活用を推進

 中期成長戦略として、コンテンツ事業におけるユーザー数の拡大、デジタルコンテンツ資産の有効活用、コンテンツクリエイターサービス事業における人材確保とサポート体制充実などを推進している。またM&Aも積極活用する方針だ。

 20年9月にはミャンマーの新興通信事業者GALAXIA社と、ミャンマーにおけるモバイルコンテンツサービス分野およびシステムインテグレーション分野で業務提携した。20年10月RPA導入コンサルティングサービスのITSO社と業務提携、20年11月ITエンジニア育成EdTechサービスのヒートウェーブと業務提携した。

■21年3月期2Q累計は大幅増収で赤字縮小、通期黒字予想

 21年3月期の連結業績予想は、売上高が20年3月期比2.3倍の38億81百万円、営業利益が12百万円の黒字(20年3月期は2億35百万円の赤字)、経常利益が11百万円の黒字(同2億09百万円の赤字)、純利益が8百万円の黒字(同2億14百万円の赤字)としている。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比2.4倍の15億95百万円、営業利益が1億15百万円の赤字(前年同期は1億25百万円の赤字)、経常利益が50百万円の赤字(同1億18百万円の赤字)、純利益が44百万円の赤字(同1億14百万円の赤字)だった。

 コンテンツクリエイターサービス事業におけるエンジニア稼働率上昇やM&A効果(リアリゼーション、ファンレボ)で大幅増収となり、コンテンツ事業におけるコスト削減効果で赤字縮小した。なお営業外収益に雇用調整助成金収入32百万円、特別利益に債務免除益64百万円、特別損失に債権放棄損57百万円を計上した。

 四半期別の営業利益は、第1四半期が1億22百万円の赤字だったが、第2四半期は7百万円の黒字だった。

 通期予想は据え置いて黒字予想としている。下期の取り組みとして、コンテンツ事業ではウォレットアプリ「Challet」の機能・コンテンツ拡充による導入社数増加、ファミリーコンテンツのブラッシュアップによるユーザー拡大など、コンテンツクリエイターサービス事業ではクリエイターのスキルアップによる高収益化などを推進する方針だ。収益改善を期待したい。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は上値が重くモミ合い展開だが、煮詰まり感を強めている。調整一巡して上放れを期待したい。12月25日の終値は149円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47銭で算出)は約317倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS22円24銭で算出)は約6.7倍、時価総額は約26億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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