パイプドHDは21年2月期3Q累計営業・経常減益、通期純利益上方修正

(決算速報)
 パイプドHD<3919>(東1)は12月28日の取引時間終了後に21年2月期第3四半期累計連結業績を発表した。人件費増加などで営業・経常減益、投資有価証券売却益計上で最終大幅増益だった。通期は純利益を上方修正したが、営業・経常減益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率は概ね順調であり、需要が回復傾向であることを考慮すれば、通期上振れ余地がありそうだ。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■21年2月期3Q累計営業・経常減益、通期は純利益を上方修正

 21年2月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比1.4%増の45億69百万円、営業利益が9.6%減の8億21百万円、経常利益が11.5%減の8億17百万円、純利益が31.1%増の7億68百万円だった。

 売上面では、新型コロナウイルスに伴うマイナス影響(案件失注、商談長期化、キャンペーン中止、広告出稿停止など)があったが、全体として増収を確保した。機能別事業群の情報資産プラットフォーム事業は2.3%増収、販促CRMソリューション事業は0.7%増収、広告事業は1.4%減収、分野別事業群のxTech事業は6.6%減収、社会イノベーション事業は5.2%増収だった。

 利益面は人件費や研修費の増加などで営業・経常減益だった。純利益は投資有価証券売却益2億93百万円を計上(米国Sprinklr社の売却手続が第3四半期に完了)して大幅増益だった。

 通期連結業績予想(6月30日にレンジ予想下限値を上方修正、9月2日に特別利益計上で純利益を上方修正)は、投資有価証券売却益が確定したことに伴って純利益を2億円上方修正した。売上高が58億円~62億円(20年2月期比6.6%減~0.1%減)、営業利益が10億円~12億円(28.1%減~13.7%減)、経常利益が10億円~12億円(28.7%減~14.4%減)、純利益が9億円~10億円(30.7%増~45.3%増)としている。

 第3四半期累計の進捗率は通期予想レンジ下限値に対して売上高78.8%、営業利益82.1%、上限値に対して売上高73.7%、営業利益68.4%となる。進捗率は概ね順調であり、需要が回復傾向であることを考慮すれば、通期上振れ余地がありそうだ。

■株価は営業・経常減益予想を織り込み済み

 株価は上値を切り下げる形だが営業・経常減益予想を織り込み済みだろう。調整一巡して出直りを期待したい。12月28日の終値は1509円、時価総額は約123億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る