JPホールディングスは急反発、学研ホールディングスと提携

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 JPホールディングス<2749>(東1)は総合子育て支援のリーディングカンパニーである。事業環境変化に対応して持続的成長を実現するため、収益性向上や新規事業創出などに取り組んでいる。21年3月期は新規施設開設、受入児童数増加、販管費抑制、補助金収入増加などで増収増益予想としている。1月14日には学研ホールディングス<9470>との業務提携および筆頭株主異動を発表した。これを好感して株価は急反発している。戻りを試す展開を期待したい。なお2月12日に21年3月期第3四半期決算発表を予定している。

■総合子育て支援のリーディングカンパニー

 総合子育て支援のリーディングカンパニーである。認可保育園や学童クラブなどを運営する子育て支援事業を主力として、保育所向け給食請負事業、英語・体操・リトミック教室請負事業、保育関連用品の物品販売事業、研究・研修・コンサルティング事業なども展開している。

 20年3月期末の運営施設数は、保育園209(認可保育園・公設民営12、認可保育園・民設民営171、認可外東京都認証保育所20、認可外企業主導型保育事業2、その他認可外保育園4)、学童クラブ72、児童館11、民間学童クラブ4、海外幼稚園(ベトナム)1、合計297園・施設(19年3月末比8園・施設増加)だった。首都圏を中心に展開している。また受入児童数は19年3月期末比973人増加の1万5323人だった。

 収益は既存施設の稼働率、新規施設の開園、保育士待遇改善に伴う人件費の増加、補助金の増減などが影響する。また新規施設の開園は概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性がある。

■収益性向上や新規事業創出を推進

 21年3月期から新経営体制に移行し、事業環境の変化に対応して持続的成長を実現するための経営改革に取り組んでいる。

 収益性・効率性向上では、最高水準の保育サービスの提供を目指して保育の更なる質的向上推進するとともに、経営資源集中や業務効率化を推進する。具体的には、収益性が悪化した施設を閉園(21年3月末に東京都認証保育所4園および企業主導型保育園1園を閉園、22年3月末に東京都認証保育所1園を閉園予定)し、要員配置適正化などで既存施設の収益性改善に取り組む。また投資基準に沿った新規開設計画の立案、保育ニーズの変容に対応する収益モデルの研究を推進する。幼児教育や異業種提携など、児童減少に伴う空きスペースを活用したビジネスモデルも検討する。

 人材確保・育成・マネジメントでは、採用間口の拡大などで採用を強化するとともに、離職率抑制に向けて人事制度の改革、タレントマネジメントシステムの活用、働く環境の整備、コンプライアンス体制や安全対策の強化などに取り組む。離職率については20年3月期13%(業界平均17%前後)に対して、21年3月期10%程度を目指す。

 更なる成長に向けた新規事業では、子育て支援の取り組みを待機児童対策から少子化社会対策へシフトし、子育て世帯への新しい暮らし方の提案(朝夕の食事提供、幼児教育プログラムのデジタル化、子育て用品販売による手ぶら保育など)、オンライン教育(在宅子育てサービスなど)などに取り組む方針だ。M&A・アライアンスも積極活用する方針だ。

 なお1月14日に学研ホールディングス<9470>との業務提携を発表した。更なる子育て支援の質的向上、量的な成長、幼児教育の拡充および子育て事業における新しいビジネス価値の創造を推進する。また学研ホールディングスがマザーケアジャパンから株式を取得して第1位株主となった。

■21年3月期増収増益予想

 21年3月期連結業績予想は、売上高が20年3月期比4.1%増の330億05百万円、営業利益が2.5%増の15億77百万円、経常利益が7.5%増の21億53百万円、純利益が3.6%増の11億63百万円としている。配当予想は20年3月期と同額の3円90銭(期末一括)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比2.8%増の159億55百万円、営業利益が27.5%増の6億32百万円、経常利益が28.4%増の9億55百万円、純利益が6.8%増の5億51百万円だった。

 売上面では、新型コロナウイルスによる一部施設の臨時休園・休室・休館というマイナス要因(保護者から直接徴収する給食費や物販収入などが減少)があったが、新規施設の開設(保育園4園、学童クラブ5施設)、東京都認証保育所への認可移行(1施設)、受入児童の増加(20年3月期末比266人増加の1万5517人)などで吸収した。

 営業利益は、一部施設臨時休園・休室・休館に伴って給食食材費が減少し、売上総利益が増加した。また販管費の抑制も寄与して大幅増益だった。経常利益は寮利用者増加に伴う補助金収入の増加も寄与した。なお環境変化に伴って収益悪化した園の閉園に伴う特別損失1億15百万円を計上した。

 通期も子育て支援サービスの質的向上と収益改善に注力する。新規施設開設、受入児童数増加、販管費抑制、補助金収入増加などで増収増益予想としている。通期ベースでも好業績を期待したい。

■株主優待制度は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月末日現在の5単元(500株)以上保有株主を対象として実施している。なお20年9月末対象から従来の株主優待ポイント制度を廃止し、次亜塩素酸水を贈呈(詳細は会社HP参照)した。

■株価は出直り期待

 株価は学研ホールディングスとの提携を好感して急反発している。戻りを試す展開を期待したい。1月15日の終値は297円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS13円30銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円90銭で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS110円17銭で算出)は約2.7倍、時価総額は約261億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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