ジャパンフーズは調整一巡、中期収益拡大期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ジャパンフーズ<2599>(東1)は飲料受託製造の国内最大手で、炭酸飲料と茶系飲料を主力としている。持続的成長を続ける「100年企業」実現に向けて、新規商材受注や積極的設備投資による競争力向上を推進している。21年3月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想だが、高品質でフレキシブルな生産対応を強みとしており、中期的に収益拡大を期待したい。株価は戻り高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■飲料受託生産の国内最大手、フレキシブルな生産が強み

 伊藤忠商事<8001>系で、飲料受託製造の国内最大手である。主要得意先はサントリー食品インターナショナル<2587>、伊藤園<2593>、アサヒ飲料などの大手飲料メーカーである。品目別では炭酸飲料と茶系飲料、容器別ではペットボトル飲料を主力としている。本社工場の炭酸・非炭酸兼用無菌充填ラインは、市場環境や顧客ニーズの変化に対応したフレキシブルで効率的な生産が強みだ。

 新規ビジネス分野として、連結子会社JFウォーターサービスは水宅配・ウォーターサーバーメンテナンス事業を展開している。また国内で水宅配フランチャイズ事業を展開するウォーターネット、および中国で清涼飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(東洋製罐と合弁)を持分法適用関連会社としている。

 収益面の特性として、個人消費や天候などの影響を受けやすい。また飲料業界全体が、夏場の上期(4~9月)に繁忙期となって生産量が増加するのに対して、冬場の下期(10~3月)は閑散期となって生産量が減少するため、下期は営業損益が赤字となる収益構造だ。

■「100年企業」目指して積極的設備投資

 中期経営計画「JUMP+プラス2021 次のステージへ」では、持続的成長を続ける「100年企業」実現に向けて、経営課題である「ふ(防ぐ)」「け(削る)」「か(稼ぐ)」に対する取り組みを確実に進化させる方針としている。

 経営目標値には22年3月期売上高189億円、営業利益10億円、経常利益11億円、純利益7億50百万円、ROE7.6%などを掲げている。配当については、定額の安定配当(1株当たり27円)に加えて、期間業績に応じて配当性向20%を限度とする期末配当の増配を行う方針としている。

 重点戦略としては、コアセグメント(国内飲料受託製造)における積極的設備投資による競争力向上、新規セグメント(東洋飲料、ウォーターネット、JFウォーターサービス)における既存事業拡充、新たなビジネスモデル創出(オペレーション・メンテナンス技術の活用・収益化など)を掲げている。

 総合スクラップ&ビルド第2フェーズとして、工場建屋およびSOT缶ラインを新設(投資額約73億円、竣工時期20年12月下旬予定)する。

 飲料業界全体が天候の影響を受けやすいことに加えて、大手飲料メーカーの再編や内製拡大による受託製造量減少を懸念する見方もあるが、夏場の繁忙期と冬場の閑散期という季節間の需要格差が大きい業界のため、大手飲料メーカーにとって内製拡大は設備投資や固定費負担の面でリスクが大きい。また飲料メーカーは経営効率化の観点からも、経営資源の重点をマーケティング分野にシフトする動きを強めている。

 このため飲料受託生産の役割や存在感が一段と高まり、飲料受託生産の最大手として、高品質でフレキシブルな生産対応が可能な強みを発揮している。

■21年3月期は新型コロナ影響で減収減益予想だが中期収益拡大期待

 21年3月期の連結業績予想(期初時点では未定、7月30日に公表、11月2日に下方修正)は、売上高が20年3月期比10.7%減の140億円で、営業利益が97.5%減の10百万円、経常利益が80.4%減の90百万円、そして純利益が16.5%減の1億円としている。純利益は前期計上の減損損失の剥落が寄与する。配当予想は20年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比15.1%減の76億88百万円、営業利益が29.1%減の6億49百万円、経常利益が26.9%減の6億99百万円、純利益が21.5%減の5億13百万円だった。

 大幅減収減益だった。前期の天候要因等による減少の反動増があったが、新型コロナウイルスによる清涼飲料業界へのマイナス影響が想定よりも大きく、市場環境悪化で国内の受託製造数が16.8%減少した。コスト面で原価率改善や固定費削減等の低重心経営に成果があったが、国内受託製造数減少が大きく影響した。

 第2四半期累計の純利益に対する新型コロナウイルスの影響額は、受注減少でマイナス11億70百万円、変動経費の減少でプラス4億20百万円、合計でマイナス7億50百万円だったとしている。

 通期も大幅減収減益予想としている。上期の受注が想定を下回り、下期も新型コロナウイルスの影響が避けられない見込みだ。原価率改善や固定費削減等の低重心経営を推進し、海外事業や水宅配フランチャイズ事業の収益拡大も寄与するが、国内受託製造数減少をカバーできない。

 通期ベースでの純利益に対する新型コロナウイルスの影響額は、受注減少でマイナス15億50百万円、変動経費の減少でプラス7億50百万円、合計でマイナス8億円の見込みとしている。

 21年3月期は新型コロナウイルスの影響で大幅減収減益予想だが、新規商材受注や積極的設備投資による競争力向上を推進して中期的に収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年3月31日時点の1単元(100株)以上所有株主を対象として、自社製品詰め合わせセットなどを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は戻り高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。1月18日の終値は1218円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円73銭で算出)は約59倍、今期予想配当利回り(会社予想の27円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1636円00銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約62億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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