【注目銘柄】テクノホライゾンは3Q決算発表を先取りし業績期待を高めて急反発

注目銘柄

 テクノホライゾン<6629>(JQS)は、前日21日に商いを伴って44円高の832円と急反発して引け、ジャスダック市場の値上がり率ランキングの第18位に躍り出た。同社株は、今年1月29日に今2021年3月期第3四半期(2020年4月~12月期、3Q)決算の発表を予定しており、今期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)業績が赤字拡大、第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)業績が大幅減益と業績不安が先行したが、3Q業績が高変化し、あるいは前期3Q決算発表時の上方修正を再現すると業績期待を高めて割安株買いが再燃した。また今年1月19日に子会社が、販売代理店契約をしてプログラミングロボット「Root(ルート)」の販売を電子黒板と組み合わせて今年2月19日から開始することも、業績支援材料視されている。

■1Q赤字、2Q大幅減益も国内トップの電子黒板次第で高変化も

 同社の今3月期業績は、1Q業績が連続赤字で着地したあと、2Q累計業績も売り上げ97億5400万円(前年同期比15.1%減)、営業利益1億3800万円(同82.6%減)、経常利益8800万円(同88.3%減)、純利益3400万円(同95.5%減)と大幅減収減益転換した。電子事業では、前期に買収した子会社の寄与はあったが、価格競争の激化や工場操業度の低下が響き、光学事業では、電子黒板の納入・設置工事が後ろ倒しとなったことなどが響いた。

 この低調な四半期業績に対しても今3月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ225億円(前期比0.6%増)、営業利益15億円(同3.9%増)、経常利益14億円(同1.1%増)、純利益13億円(同1.5%減)と前期計上の固定資産売却益が一巡する純利益以外は続伸を見込んでいる。この通期予想業績の達成は、後ろ倒しとなった電子黒板が、「GIGAスクール構想」の推進とともに3Q業績にどの程度寄与するか、業績自体が高変化するかがカギとなることになる。同社の電子黒板の国内シェアは4割とトップを占め、前期は3Q決算発表時に期初予想の前期通期業績を上方修正した。なお「ルート」は、教育用プログラミングロボットで電子黒板と接続可能であり、2020年度から必修となったプログラミングの小学校向けの教材として電子黒板との相乗効果が期待されている。

■今期四半期決算発表のたびにストップ安もPERは8倍と売られ過ぎ

 株価は、前期業績の上方修正で840円と買われたが、コロナ・ショック安に巻き込まれて昨年来安値435円へ売られ、全国一斉休校された学校の再開時には電子黒板人気でストップ高して底上げ、非接触の人体体温測定と顔認証の入退室管理システムも加わって昨年来高値1095円まで2.5倍化した。ただ今期1Qの赤字業績でストップ安、同じく2Q大幅減益転換業績でもストップ安し641円と調整し、足元では25日移動平均線で下値を確認してきた。3Q決算動向次第でPER8倍台の割安修正がさらに加速しよう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る