トレジャー・ファクトリーは反発の動き、21年2月期は新型コロナ影響だが22年2月期回復期待

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。21年2月期は新型コロナウイルスの影響で減収減益予想としているが、第1四半期をボトムとして回復基調であり、通期上振れ余地がありそうだ。さらに22年2月期の収益回復を期待したい。株価は安値圏でモミ合う展開だが、自己株式取得も好感して反発の動きを強めている。モミ合いから上放れて出直りを期待したい。

■リユースショップを展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。

 20年3月末時点の店舗数は、グループ合計192店舗(タイの3店舗を含むトレジャー・ファクトリー65店舗、トレファクスタイル53店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット7店舗、ブランドコレクト3店舗、トレファクマーケット1店舗、カインドオル41店舗、ゴルフキッズ17店舗)である。

■リユース事業の成長と周辺・新規事業への投資を推進

 中期成長戦略として、リユース事業の成長(大都市圏中心に複数業態を組み合わせて年間10~20店舗の新規出店、採用・教育・在庫・物件開発など多店舗展開力の強化、リアル店舗とオンラインサービスの会員共通化をベースとしたリアル店舗・EC販売・宅配買取などの相互利用)、海外市場での成長(タイ3店舗の収益化、他国への展開)、リユース周辺事業・新規事業への投資(引越事業のトレファク引越、BtoBオークション事業のトレファク、ECドレスレンタル事業のCariru、不動産仲介事業のトレファク不動産)を推進している。

 19年1月にシステム開発のデジタルクエストを子会社化、20年2月にAIアプリのXZ(クローゼット)運営のSTANDING OVATIONと資本業務提携した。また20年10月には総合不動産会社のビーロットと業務提携、静岡県内でリユースショップ直営店12店舗を展開するピックアップジャパンを子会社化した。

■21年2月期は新型コロナ影響だが22年2月期回復期待

 21年2月期の連結業績予想(期初時点では未定、10月13日に公表)は、売上高が20年2月期比4.3%減の183億08百万円、営業利益が88.2%減の1億11百万円、経常利益が84.0%減の1億59百万円、純利益が99.0%減の5百万円としている。配当予想は7円減配の10円(第2四半期末2円、期末8円)である

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.5%減の134億28百万円、営業利益が99.9%減の1百万円、経常利益が91.8%減の62百万円、純利益が75百万円の赤字(前年同期は5億27百万円の黒字)だった。第1四半期に新型コロナウイルスに伴う緊急事態宣言で店舗臨時休業・営業時間短縮の影響を受けたため、累計ベースで減収減益だった。

 ただし四半期別に見ると、第1四半期は売上高が39億59百万円で営業利益が2億21百万円の赤字、第2四半期は売上高が44億17百万円で営業利益が41百万円の赤字、第3四半期は売上高が50億51百万円で営業利益が2億64百万円の黒字だった。緊急事態宣言発令で大きな影響を受けた第1四半期をボトムとして回復基調である。

 通期予想は据え置いた。季節要因で利益の出やすい第1四半期に新型コロナウイルスの影響を大きく受けたため、通期も減収減益予想だが、第1四半期をボトムとして回復基調であり、第3四半期に営業利益2億64百万円を計上していることを考慮すれば、通期利益予想に上振れ余地がありそうだ。さらに楽器や酒類など取り扱いジャンルの強化、オークション事業の強化も推進しており、22年2月期の収益回復を期待したい。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、20年12月は全店が101.8%、既存店が98.6%だった。家具、ホビー用品、スポーツ・アウトドア用品、小物雑貨が引き続き好調だったが、新型コロナウイルス感染再拡大による外出自粛の影響で衣類の販売が鈍化した。なお新規出店は7月1店舗、9月2店舗、10月2店舗、11月1店舗となっている。

■株主優待制度は2月末の株主対象

 株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は反発の動き

 1月13日に自己株式取得を発表した。上限15万株・1億円で、取得期間は21年1月14日~21年1月29日としている。

 株価は安値圏でモミ合う展開だが、自己株式取得も好感して反発の動きを強めている。モミ合いから上放れて出直りを期待したい。1月22日の終値は730円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS44銭で算出)は約1659倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約1.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS407円13銭で算出)は約1.8倍、そして時価総額は約85億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る