寿スピリッツは21年3月期3Q小幅黒字転換

(決算速報)
 寿スピリッツ<2222>(東1)は2月1日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計の連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響を強く受けて大幅減収・赤字だった。ただし第3四半期は減収幅が縮小して黒字転換した。GoToトラベルキャンペーン停止などで当面は厳しい事業環境が続くが、22年3月期の収益回復を期待したい。株価は直近安値圏から切り返しの動きを強めている。業績悪化を織り込み済みであり、第3四半期の黒字転換を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年3月期3Q累計赤字だが3Q黒字転換

 21年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比54.3%減の163億06百万円、営業利益が23億07百万円の赤字(前年同期は61億90百万円の黒字)、経常利益が3億02百万円の赤字(同62億42百万円の黒字)、純利益が1億74百万円の赤字(同39億70百万円の黒字)だった。新型コロナウイルスの影響(店舗の臨時休業、外出・移動の自粛、インバウンド需要の消失)を強く受けて大幅減収・赤字だった。営業外収益には助成金収入18億69百万円を計上した。

 ただし四半期別に見ると第3四半期は売上高が84億01百万円、営業利益が11億13百万円の黒字、経常利益が16億53百万円の黒字、純利益が11億15百万円の黒字となった。第1四半期の74.4%減収、第2四半期の55.9%減収に対して、第3四半期はGoToトラベルキャンペーン効果などで36.8%減収と減収幅が縮小し、人件費抑制や経費見直しなどのコスト削減効果も寄与して各利益が黒字転換した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年3月期比48.8%減の231億40百万円、営業利益が34億円の赤字(20年3月期は64億54百万円の黒字)、経常利益が13億70百万円の赤字(同64億75百万円の黒字)、純利益が9億円の赤字(同41億円の黒字)としている。

 GoToトラベルキャンペーン停止や緊急事態宣言再発令などで、当面は厳しい事業環境が続くが、22年3月期の収益回復を期待したい。

■株価は戻り試す

 株価は直近安値圏から切り返しの動きを強めている。21年3月期の業績悪化を織り込み済みであり、第3四半期の黒字転換を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月1日の終値は5780円、時価総額は約1799億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る