クレスコは21年3月期3Q累計営業減益、通期予想据え置き、自社株消却を発表

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東1)は2月5日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。新型コロナウイルスの影響による受注減少などで営業減益だった。通期予想は据え置いて前年並みの業績確保を目指すとしている。第4四半期の挽回を期待したい。なお第7回新株予約権の取得・消却、および自己株式消却を発表した。株価は下値固め完了感を強めている。通期営業減益予想を織り込み済みであり、自己株式消却を好感する動きが優勢になりそうだ。出直りを期待したい。

■21年3月期3Q累計は新型コロナ影響で営業減益、通期予想据え置き

 21年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比0.2%増の290億18百万円、営業利益が10.0%減の23億88百万円、経常利益が0.6%減の31億23百万円、四半期純利益が9.5%増の21億93百万円だった。

 新型コロナウイルスによる対面営業の制限、顧客におけるIT投資計画見直しなどで受注が減少した。売上高は新規連結効果などで小幅減収にとどまったが、営業利益は不採算案件も影響して減益だった。経常利益はデリバティブ評価益計上などで微減益、四半期純利益は投資有価証券売却益計上で増益だった。

 ソフトウェア開発事業は1.5%増収で6.0%減益だった。子会社における不採算案件も影響した。組込型ソフトウェア開発事業は5.6%減収で17.2%減益だった。受注単価低下も影響した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高94億04百万円で営業利益4億26百万円、第2四半期は売上高97億99百万円で営業利益9億40百万円、第3四半期は売上高98億15百万円で営業利益10億22百万円だった。生産性向上などの効果で利益回復傾向だ。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が20年3月期比1.7%増の400億円、営業利益が4.4%減の34億円、経常利益が3.0%減の36億円、当期純利益が1.2%増の24億50百万円としている。

 新型コロナウイルスによる主要顧客(特に旅行、空輸、不動産、自動車関連)側の事業環境悪化で、受注回復が想定よりも緩やかにとどまっているが、生産性向上・コスト削減・不採算案件極小化に注力し、前年並みの業績確保を目指すとしている。第3四半期累計の進捗率は売上高72.5%、営業利益70.2%だった。利益回復傾向であり、第4四半期の挽回を期待したい。

■株価は下値固め完了

 株価は下値固め完了感を強めている。通期営業減益予想を織り込み済みであり、自己株式消却を好感する動きが優勢になりそうだ。出直りを期待したい。2月5日の終値は1305円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円55銭)で算出は約11倍、時価総額は約313億円である。

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