【注目銘柄】KeePerは反落も利益倍増の好業績をテコに突っ込み買い一考余地

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KeePer技研<6036>(東1)は、前日16日に22円安の1873円と反落して引けた。新型コロナウイルス感染症ワクチンの先行接種開始が、マスク株などのコロナ関連株にやや逆風視されその一角に位置する同社株も、持ち高調整の売り物に押された。ただ取引時間中には1927円と買われる場面があり、今年2月10日に再上方修正された今2021年6月期業績の利益倍増の好業績を見直し下げ過ぎ訂正期待の突っ込み買いも交錯した。また同社株は、昨年9月30日を基準日に株式分割(1株を2株に分割)を実施し、2015年の新規株式公開(IPO)以来、3回目の株式分割となるが、このうち前2回は、分割権利落ちから落ち分を埋めて高株価を示現しており、ヒストリカル的に今回も落ち埋めの再現期待が底流している。

■「三密回避」のマイカー通勤向けに高価格帯のコーティング材料が好調

 同社は、2015年2月のIPO以来、2015年9月30日、2017年6月30日、2020年9月30日を基準日にそれぞれ1対2の株式分割を実施してきた。このうち2015年と2017年の株式分割では、分割落ち安値から株価は大幅高して落ち分を埋めてきた。今回の昨年9月末割当の株式分割では、2776円で分割権利を落とし分割権利落ち後安値1297円から同高値2419円まで約9割高したあと半値押し水準まで調整中となっているが、前2回と同様の権利落ち埋めへ向け再発進が期待されている。

 この期待をバックアップするのが、同社の今2021年6月期の好業績である。同6月期業績は、昨年11月、今年2月に2回上方修正された。2月の再上方修正は、昨年11月の上方修正値より売り上げを4億3500万円、営業利益を6億2400万円、経常利益を6億3000万円、純利益を4億4100万円それぞれアップさせ、売り上げ115億3500万円(前期比32.6%増)、営業利益27億円(同97.6%増)、経常利益27億500万円(同96.9%増)、純利益18億600万円(同97.8%増)と大幅増収増益となり、増収増益となったものの期初予想を下ぶれて着地した前期業績とは様変わりとなっている。配当も、年間17円に(前期実績15円)と株式分割勘案の実質で連続の大幅増配を予定している。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大につれ通勤時の「三密回避」でマイカーへの見直しが続き、マイカーをクリーンにする洗車需要が高まり、同社が昨年2月に発売した高価格帯のコーティング材料「EXキーパー」などの施工台数が大きく伸びていることが寄与している。

■25日線から10%超も下方かい離し過去2回の株式分割では落ち埋め実績

 株価は、昨年9月末の株式分割後安値1297円から同11月の1回目の業績上方修正で今年1月の権利落ち後高値2419円まで約9割高し、その後の2000円大台割れの調整安値から今年2月の再上方修正で2237円とリバウンドしたが、材料出尽くし感も強まり1823円まで大幅調整した。PERは29倍台と割高感は否めず、ワクチンの先行接種の影響もウオッチが必要だが、株価水準自体は、25日移動平均線から10%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆している。前2回の権利落ち埋め実績を考慮すれが突っ込み買い余地もあり、2000円大台回復から権利落ち埋めに再発進しよう。

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