【注目銘柄】クニミネ工業は業績再上方修正をテコに景気敏感株人気を強めて続伸

注目銘柄

 クニミネ工業<5388>(東1)は、前日2日に3円高の1227円と続伸して引け、今年2月9日につけた直近高値1341円を視野に入れた。同社株は、今2021年3月期予想業績を昨年10月、今年1月と2回上方修正し当初の減益転換予想が増益転換しており、投資採算的にも割安として景気敏感株買いが増勢となった。テクニカル的にも、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、買い手掛かりとなっている。

■自動車需要の早期回復が寄与し純利益は実質で連続最高益

 同社の業績は、前期が過去最高業績で着地したものの、今2021年3月業績については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が不透明として未定としてきた。その後昨年5月22日に開示した今期予想業績は、鋳物関係で国内外の自動車需要の減少で苦戦するとして大幅減益転換を見込み、同7月に発表された今期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)決算も、減収減益で着地した。

 しかし7月以降の第2四半期に入って自動車需要が想定を上回って回復したことから昨年10月、今年1月と業績を2回上方修正した。とくに今年1月の再上方修正では、自動車需要に加え土木建築関連需要、復興関連需要、環境整備関連需要などが想定を上回るとして、昨年10月の上方修正値に対して売り上げを9億3400万円、営業利益を6億3700万円、経常利益を6億5800万円、純利益を2億1200万円それぞれ上乗せし、売り上げ144億1900万円(前期比6.6%減)、営業利益21億7600万円(同12.7%増)、経常利益22億7600万円(同8.7%増)、純利益15億7700万円(同4.3%減)と見込み、当初の減益転換予想が増益転換する。純利益は、前期に計上した投資有価証券売却益1億4500万円や震災復興関連の税額控除などが一巡するための減益で、実質では前期の過去最高(16億4800万円)を更新する。

■GC示現で弾みをつけPER10倍、PBR0.8倍の割安修正に再発進

 株価は、昨年1月の昨年来高値1405円からコロナショック安に巻き込まれて昨年来安値753円へ突っ込み、売られ過ぎとして底上げしたが、900円台を下値、1100円台を上値とするボックス相場が長期化した。それが昨年10月の業績上方修正から動意付き、今年1月の2回目の上方修正では窓を開けて1341円まで急伸し、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元ではこの時に開けた窓埋めを継続しているが、PERは10倍台、PBRは0.87倍と割安である。まず直近高値を奪回し、昨年来高値1405円に向け騰勢加速となろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る