アスカネットは新型コロナ影響で21年4月期3Q累計減収減益、22年4月期回復期待

(決算速報)
 アスカネット<2438>(東マ)は3月8日の取引時間終了後に21年4月期第3四半期累計業績を発表した。新型コロナウイルスの影響で減収減益だった。ただし第1四半期と第2四半期の営業赤字に対して、第3四半期は営業黒字化した。通期減収減益予想を据え置いたが、22年4月期の収益回復を期待したい。なおASKA3Dプレートについて、従来よりも大きい新サイズの販売受付を4月1日開始すると発表した。操作パネルとしての用途拡大が期待される。株価は安値圏だが業績悪化を織り込み済みであり、通期予想据え置きで安心感につながる可能性もありそうだ。

■21年4月期3Q累計減収減益だが3Q営業黒字化、通期予想据え置き

 21年4月期第3四半期累計業績(非連結)は、売上高が前年同期比15.5%減の41億89百万円となり、営業利益が78.3%減の1億40百万円、経常利益が70.6%減の1億91百万円、四半期純利益が72.5%減の1億26百万円だった。

 新型コロナウイルスの影響の影響を受けて減収となり、生産稼働率の低下、画像処理オペレーター人件費の増加、固定費削減を目的とした関東地区オペレーションセンター移転に伴う一時的費用なども影響して減益だった。

 セグメント別に見ると、遺影写真デジタル加工のメモリアルデザインサービス事業は4.7%減収で12.1%減益だった。葬テックの「tsunagoo」サービスは伸長したが、葬儀の小型化が継続して、葬儀演出サービスやハード機器の売上が苦戦した。

 オリジナル写真集をネットで受注・製作するパーソナルパブリッシングサービス事業は23.2%減収で60.4%減益だった。新型コロナウイルスの影響を強く受けて、結婚式・旅行・イベント等を目的とした写真集の売上が減少した。

 空中結像ASKA3Dプレートのエアリアルイメージング事業は、樹脂製の増加で13.2%増収だが、研究開発費の増加で赤字がやや拡大した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高12億59百万円で営業利益40百万円の赤字、第2四半期は売上高13億25百万円で営業利益16百万円の赤字、第3四半期は売上高16億05百万円で営業利益1億96百万円だった。第3四半期は営業黒字化した。

 通期の業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が20年4月期比12.2%減の57億75百万円、営業利益が71.8%減の2億円、経常利益が64.8%減の2億59百万円、当期純利益が67.2%減の1億64百万円としている。第3四半期累計の進捗率は売上高72.5%、営業利益70.0%となる。21年4月期は新型コロナウイルスの影響を受けたが、22年4月期の収益回復を期待したい。

■株価は業績悪化を織り込み済み

 株価は安値圏だが業績悪化を織り込み済みであり、下値限定的だろう。通期予想据え置きで安心感につながる可能性もありそうだ。3月8日の終値は945円、今期予想PER(会社予想のEPS9円76銭で算出)は約97倍、時価総額は約165億円である。

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