【注目銘柄】テクノフレックスは市場予想を上回る増益転換業績を見直し3連騰

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 テクノフレックス<3449>(東2)は、前日9日に21円高の1021円と3営業日続伸して引けた。同社株は、今年2月10日に12月期決算を発表し、前2020年12月期業績は、期中の下方修正通りに減収減益と続落したが、今2021年12月期業績は、増収増益転換と見込み、市場コンセンサスを上回ったことから割り負けハイテク株買いが増勢となった。テクニカル的にも今年2月安値966円を大底にトリプルボトム(逆三尊底)を形成していることも、底値買い材料の手掛かりとなっている。

■真空機器続伸に下期の消防工事施工がオンし新潟工場拡張も寄与

 同社の前2020年12月期業績は、第1四半期(2020年1月~3月期、1Q)決算、第2四半期(同1月~6月期、2Q)累計決算までは増収増益で推移したが、第3四半期(同1月~12月期、3Q)決算が一転して減収2ケタ減益となり、昨年11月に下方修正された。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で受注高が減少し、継手事業では老朽化した水道管の交換工事が延期され、防災・工事事業でも建設工事が中断されたことなどが要因となった。

 今2021年12月期業績は、上半期にこの影響が残るが下期には回復を見込んでいる。継手事業では、半導体メモリー・メーカーの設備投資拡大で真空機器が続伸し、防災・工事事業では、2020年秋以降に開始された首都圏の大規模再開発案件が、下期に消防設備工事の施工時期になることなどが寄与する。今期通期業績は、売り上げ192億円(前期比2.5%増)、営業利益24億5000万円(同27.4%増)、経常利益24億円(同27.0%増)、純利益15億円(同24.4%増)と増収増益転換を予想し、利益は、市場コンセンサスを2億円~4500万円上回る。昨年11月に約6億円を投資した新潟工場の拡張工事も、今年6月に竣工し水道管工事向けの大型配管の生産能力増強として寄与してくる。なお今期配当は、年間41円(前期実績41円)と高水準継続を予定している。

■逆三尊底からPER12倍台、PBR0.9倍の割り負け修正に再発進

 株価は、コロナ・ショック安に巻き込まれて上場来安値626円へ崩れたが、前期1Qの好決算では半導体関連人気も高めてストップ高を交えて上場来高値1510円まで2.41倍化した。その後は1300円台の値固めを続け、前期3Qの業績悪では今度はストップ安で1029円安値まで調整、昨年11月の前期業績の下方修正ではほぼ織り込み済みとして1000円台割れで下げ渋る動きが続いた。足元では966円を大底に今年1月安値、3月安値で逆三尊底を形成するチャート形状となっており、PERは12倍台、PBRは0.99倍、配当利回りに至っては4.0%と大きく割り負けている。まず最高値から直近安値までの調整幅の半値戻しの1200円台奪回を目指そう。

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