巴工業は21年10月期1Q大幅営業増益、通期予想は上振れの可能性

(決算速報)
巴工業<6309>(東1)は3月11日の取引時間終了後に21年10月期第1四半期連結業績を発表した。需要が回復基調となって大幅営業増益だった。通期営業減益予想を据え置いたが、上振れの可能性が高いだろう。株価はやや小動きだが徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して動意づく可能性がありそうだ。上値を試す展開を期待したい。

■21年10月期1Q大幅営業増益、通期予想据え置きだが上振れの可能性

 21年10月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比11.4%増の106億06百万円、営業利益が21.6%増の6億49百万円、経常利益が25.0%増の6億75百万円、四半期純利益が40.0%増の4億97百万円だった。需要が回復基調となって大幅営業増益だった。

 機械製造販売事業は34.6%増収だが20.6%減益だった。海外向け機械および部品・修理が中国向けを中心に大幅伸長したが、国内向けの減少や海外向け機械の売上総利益率低下で減益だった。化学工業製品販売事業は4.8%増収で36.4%増益だった。工業材料分野の自動車向け材料、化成品分野の塗料・インキ用途向け材料や添加剤、電子材料分野の半導体製造装置向けの販売が伸長し、増収効果で大幅増益だった。

 通期予想は据え置いて、売上高が20年10月期比5.8%増の415億円、営業利益が8.0%減の20億80百万円、経常利益が9.4%減の20億80百万円、当期純利益が7.3%減の14億20百万円としている。配当予想は20年10月期比2円増配の50円(第2四半期末25円、期末25円)である。

 緩やかな需要回復で増収だが、全般的な利益率の低下に加えて、前期に抑制した先行投資を実施するため販管費増加で減益予想としている。セグメント別には、機械製造販売事業が11.2%増収だが14.7%減益、化学工業製品販売事業が3.6%増収だが3.3%減益の計画である。

 ただし保守的な印象が強い。第1四半期の進捗率は売上高が25.6%、営業利益が31.2%、経常利益が32.5%、純利益が35.0%と高水準である。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。

■株価は好業績を評価して上値試す

 株価はやや小動きだが徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して動意づく可能性がありそうだ。上値を試す展開を期待したい。3月11日の終値は2089円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS142円31銭で算出)は約15倍、時価総額は約220億円である。

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