エスプールは21年11月期1Qが先行費用で営業利益横ばいだが、通期2桁営業増益予想据え置き

(決算速報)
 エスプール<2471>(東1)は4月2日の取引時間終了後に21年11月期第1四半期連結業績を発表した。主力事業が好調に推移して大幅増収だった。営業利益は障がい者雇用支援サービスの農園新規開設準備費用が先行した影響で横ばいにとどまったが、概ね計画水準だったとしている。そして通期の2桁営業増益予想を据え置いた。収益拡大基調だろう。株価は上場来高値を更新した直後だけに、目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年11月期1Q営業利益横ばい、通期2桁営業増益予想据え置き

 21年11月期第1四半期連結業績は、売上高が前年同期比15.7%増の54億10百万円、営業利益が0.1%増の3億87百万円、経常利益が2.0%減の3億82百万円、四半期純利益が17.1%減の2億50百万円だった。主力事業が好調に推移して大幅増収だった。営業利益は障がい者雇用支援サービスの農園新規開設準備費用が先行した影響で横ばいにとどまったが、概ね計画水準だったとしている。

 ビジネスソリューション事業は20.9%増収で10.8%減益だった。障がい者雇用支援は18%増収と順調に拡大したが、利益面では第2四半期の大量納品に向けた開設準備で費用が先行した。ロジスティクス分野ではEC通販発送代行が19%増収と伸長した。採用支援サービス「OMUSUBI」も25%増収と伸長した。人材ソリューション事業は13.9%増収で17.8%増益だった。販売支援は14%減収だが、コールセンター派遣が18%増と順調に拡大した。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年11月期比18.0%増の248億円、営業利益が12.2%増の25億円、経常利益が11.6%増の24億88百万円、当期純利益が3.5%増の16億35百万円としている。配当予想は80銭増配の4円10銭(期末一括)で、連続増配となる。

 ビジネスソリューション事業は27.2%増収で15.7%増益、人材ソリューション事業は14.8%増収で9.8%増益の計画としている。引き続き主力事業が好調に推移して2桁増収・2桁営業増益予想としている。

 第1四半期の進捗率は売上高が21.8%、営業利益が15.5%と低水準の形だが、季節要因で第1四半期の構成比が低い特性があり、障がい者雇用支援では第2四半期に大量納品を予定している。また障がい者雇用支援の販売が好調なため、通期の開設計画を従来の6農園から7農園に上方修正した。収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は上場来高値を更新した直後だけに、目先的には利益確定売りが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。4月2日の終値は1136円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円70銭で算出)は約55倍、時価総額は約898億円である。

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