パイプドHDは先行投資で22年2月期減益予想だが保守的

(決算速報)
 パイプドHD<3919>(東1)は4月9日の取引時間終了後に21年2月期連結業績を発表した。新型コロナウイルス感染症対策に急を要するシステム案件を多数受注して増収増益だった。純利益は投資有価証券売却益計上で大幅増益だった。22年2月期は人件費増加など先行投資で減益予想としたが保守的だろう。なお中期経営計画も発表した。株価は年初来高値圏だ。目先的には減益予想を嫌気する可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年2月期増収増益、22年2月期減益予想だが保守的

 21年2月期連結業績(3月16日に売上、利益とも上方修正)は、売上高が20年2月期比5.1%増の65億24百万円、営業利益が2.6%増の14億27百万円、経常利益が3.7%増の14億55百万円だった。親会社株主帰属当期純利益は投資有価証券売却益(米国Sprinklr社売却)を計上して78.2%増の12億26百万円だった。配当は2円増配の23円(第2四半期末9円、期末14円)とした。

 商談長期化など新型コロナウイルスに伴うマイナス影響があったが、新規案件獲得やIT需要の取り込みで増収、人員増に伴う人件費増加を吸収して増益だった。機能別事業群の情報資産プラットフォーム事業は6.4%増収、販促CRMソリューション事業は0.2%増収、広告事業は5.6%増収、分野別事業群のxTech事業は4.5%減収、社会イノベーション事業は9.3%増収だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高14億54百万円で営業利益2億83百万円、第2四半期は売上高15億20百万円で営業利益2億70百万円、第3四半期は売上高15億95百万円で営業利益2億68百万円、第4四半期は売上高19億55百万円で営業利益6億06百万円だった。第4四半期に新型コロナウイルス感染症対策に急を要するシステム案件を多数受注した。

 22年2月期の連結業績予想は、売上高が21年2月期比7.3%増の70億円、営業利益が1.9%減の14億円、経常利益が3.8%減の14億円、親会社株主帰属当期純利益が投資有価証券売却益の剥落で31.5%減の8億40百万円としている。配当予想は2円増配の25円(第2四半期末11円、期末14円)とした。連続増配である。

 デジタル化対応などで需要が堅調に推移して増収だが、人材確保に伴う人件費増加など先行投資の影響で減益予想としている。ただし保守的だろう。なお中期経営計画を発表し、23年2月期の目標値に売上高75億円、営業利益17億円を掲げた。収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値圏

 株価は反発して年初来高値圏だ。目先的には減益予想を嫌気する可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。4月9日の終値は1949円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円55銭で算出)は約18倍、時価総額は約159億円である。

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