【注目銘柄】三光合成は3Q高利益進捗率決算を見直し業績再上ぶれ期待を高めて続伸

注目銘柄

 三光合成<7888>(東1)は、前日19日に5円高の463円と続伸して引け、1月15日につけた年初来高値517円を射程圏に捉えた。今年4月7日に発表した今2011年5月期第3四半期(2010年6月~2021年2月期、3Q)決算が、V字回復して着地し、今年1月12日に上方修正した今5月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し、業績再上ぶれ期待を高めて割安株買いが増勢となった。4月16日の日米首脳会談で、菅偉義首相とバイデン大統領とが脱炭素の国際戦略で合意し、EV(電気自動車)普及を加速させることも、関連材料として注目されている。

■車両部品の受注が増加し金型も欧州向けなどに続伸

 今期3Q業績は、売り上げ401億4900万円(前年同期比3.3%減)、営業利益18億4800万円(同2.89倍)、経常利益17億5600万円(同6.42倍)、純利益8億9900万円(同10.65倍)とV字回復した。同社は、自動車向けのバンパーやインパネなどの樹脂部品メーカーで、成形品部門では、中国・北米の車両部品の受注が増加し、金型部門では欧州、タイ、インドネシアなどでの受注が続伸し、生産効率化、経費削減などを進めたことなどが寄与した。

 一方、今年1月に上方修正された今5月期通期業績は、売り上げ530億円(前期比4.5%増)、営業利益20億円(同2.87倍)、経常利益15億円(同7.52倍)、純利益9億円(前期は4億600万円の赤字)とやはりV字回復を見込んでいる。この通期予想業績に対して3Q業績は、営業利益が92%、純利益は99%の高進捗率になっており、経常利益に至っては2億5600万円も上回った。4月7日の3Q決算発表時は、5月期通期業績について今年1月の上方修正値を据え置いたが、再上方修正も想定範囲内となる。なお今期配当は、期初予想の年間6円(前期実績9円)が2回増配され年間11円を予定している。

■PER15倍台、PBR0.7倍の修正に急騰特性の再発揮期待オン

 株価は、昨年3月のコロナ禍が響いた昨年来安値216円から大きく底上げ、昨年12月には世界的な自動車生産の回復で連続ストップ高し、今年1月の業績上方修正でもストップ高を繰り返して昨年来高値517円まで買い進まれた。足元では、3Q好決算にもかかわらず今期通期予想業績を上方修正しなかったことを嫌って利益確定売りが先行し427円まで調整、25日移動平均線を出没する高値固めを続けている。PERは15倍台、PBRは0.74倍と割安であり、昨年来高値抜けからストップ高が相次いだ急騰特性の再発揮期待を高め次の上値フシとして2018年2月高値849円が意識されよう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る