【編集長の視点】モバイルファクトリーは続落も大手フラットフォームとの相次ぐ提携をテコに直近IPO株買いが再燃余地

編集長の視点

モバイルファクトリー<3912>(東マ)は、108円安の2170円と続落して始まっている。今年5月18日に突っ込んだ上場来安値1950円から500円超幅の底上げを演じ、きょう9日の日経平均株価が、179円安と続落してスタートしていることもあり、目先の利益を確定する売り物が続いている。

ただ、今年6月3日にコロプラ<3668>(東1)が運営する位置情報サービスプラットフォーム「コロプラ」で提供するモバファクの位置情報連動型ゲーム「駅奪取PLUS」内でコラプラのサービスと利用提携することを発表しており、提携する交通事業者が全国的に拡大することを評価して直近IPO(新規株式公開)株買いが再燃する展開も想定範囲内となる。IPO直後の今年3月に、同社のシュミレーションゲームの事前登録をグリー<3632>(東1)のプラットフォームで開始することを発表し、連続ストップ高で上場来高値3840円まで急伸したことが再現されるとの思惑も高まろう。

■全国57交通事業者と提携し地域振興イベントなどの協業期待

同社は、スマートフォン向けサービスとして、ソーシャルアプリサービスの位置情報型ゲームやスマートノベルとコンテンツサービスの着メロ、占いなどの2事業で展開、ソーシャルアプリサービスを成長部門、コンテンツサービスを安定部門とするバランスの取れた収益モデルを確立している。このうち位置情報型ゲーム「駅奪取PLUS」は、2011年の配信以来4年経過した今年1月末でも、1000日以上連続プレイする利用者が2000人以上に達するなどロングセラーとなっている。

今回のグリーとの提携は、「コラプラ」で提供する同社の「駅奪取PLUS」のなかでコラプラのO2Oサービス「乗り物コロカ」と利用連携するもので、これによりモバファクは、提携する交通事業者を北海道の十勝バスから沖縄県の安栄観光まで全国57事業者に拡大し、地域振興イベントなどの一段の協業拡大が期待される。また、今年3月に事前登録を開始した男性向け恋愛シュミレーションゲーム「おまちしておりました!ご主人様!!」は、今年4月23日から「GREE」上で配信を開始した。

なお同社は、業績も好調に推移し、今12月期業績は、売り上げ16億3300万円(前期比6.1%増)、経常利益2億3400万円(同10.3%増)、純利益1億4700万円(同24.8%増)と予想している。

■25日線で下値をキープし3分の1戻しからリバインド幅をさらに拡大へ

株価は、今年3月26日に公開価格1410円でIPOされ、2812円で初値をつけ3250円まで買い進まれ2123円と下ぶれたが、グリーとの提携で2日連続のストップ高を交えて上場来高値3840円をつけ公開価格比で2.7倍化した。最高値後は上場来安値まで1890円安と急落したが、下げ過ぎとして底上げ、コラプラとの提携で最高値からの調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドした。きょう9日の続落でも下値は25日移動平均線で下支えされており、直近IPO株人気を高め半値戻し、全値戻しと一段の戻りにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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