日本ビューホテルの15年4月期業績は増収大幅増益を達成

■訪日外客数は3カ月連続で単月過去最高を更新、同社にとって追い風

 日本ビューホテル<6097>(東2)の前期15年4月期業績は増収大幅増益を達成したことで、配当も当初予想通りの20円の配当を実施する。

 15年4月期連結業績予想は、売上高181億88百万円(14年4月期比3.1%増)、営業利益8億69百万円(同46.4%増)、経常利益10億58百万円(同36.7%増)、純利益5億87百万円(同40.3%増)と増収大幅増益を達成した。
 経常利益が営業利益を上回っている要因は、グループの一部施設について原子力発電所事故の風評被害に係る受取補償金2億50百万円を営業外収益として計上したことによる。

 同社は、ホテル事業、施設運営事業、遊園地事業の3事業を展開している。

 ホテル事業は、秋田ホテルの12階レストランフロアの全面改装し、14年5月にスカイグリルブッフェレストラン「空桜~SORA~」としてオープンした。浅草ビューホテルでは、ブライダルスペースや3階宴会場の改装、神前式場のリニューアルオープンを行った。この他に、成田ビューホテルの客室69室とチャペルの改装、高崎ビューホテルのチャペルの改装を行った。営業面では、インバウンドの旅行者を獲得するためにインターネットによる集客に注力した。その結果、売上高152億63百万円(同2.0%増)、営業利益8億09百万円(同47.9%増)と大幅増益となった。

 施設運営事業は、ぎょうけい館やホテルプラザ菜の花の宿泊プランの充実などにより、営業力を強化した。また、14年6月に青梅市の「おくたま路」(総客室数18室)を取得し、リニューアル後に7月オープンした。更に、9月には大浴場を温泉にして、顧客満足度を高めた。その結果、売上高17億71百万円(同17.6%増)、営業利益△21百万円(14年4月期△15百万円)と2ケタ増収ながら、リニューアル費用が嵩んだことから赤字幅が拡大した。

 遊園地事業は、那須りんどう湖LAKE VIEWでは、イベントを充実することで集客力のアップを図った。しかし、ピークシーズンの夏に天候不順や台風、原子力発電所事故による風評被害から集客に影響があった。秋以降は、商品プランの充実に努め集客力の向上に努めた。その結果、売上高12億53百万円(14年4月期比2.0%減)、営業利益72百万円(同31.7%増)と減収ながら大幅増益となった。

 今期16年4月期連結業績予想は、前期にあった原子力発電所事故の風評被害に係る受取補償金2億50百万円がなくなることから、経常利益は20.7%減の8億39百万円、純利益は29.7%減の4億13百万円を見込んでいるが、海外からの訪日客数が増えていることもあり、売上高190億93百万円(前期比5.0%増)、営業利益9億61百万円(同10.5%増)と前期を上回る見通し。実状としては、増収増益基調といえる。

 2015年2月の訪日外客数は138万7000人(前年同月比57.6%増)、3月は152万6000人(同45.3%増)で、初めて単月で150万人を突破し、4月は176万人(同43.3%増)と3カ月連続で単月過去最高を更新している。このような環境は、同社にとっては追い風といえる。

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