三洋貿易は21年9月期予想を上方修正、さらに再上振れの可能性

(決算速報)
 三洋貿易<3176>(東1)は5月11日の取引時間終了後に21年9月期第2四半期累計連結業績を発表した。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。そして通期予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。

■21年9月期2Q累計大幅増益、通期予想を上方修正して大幅増益予想

 21年9月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比11.1%増の455億25百万円、営業利益が23.3%増の36億34百万円、経常利益が26.2%増の40億18百万円、四半期純利益が26.1%増の26億67百万円だった。自動車関連を中心に需要が回復基調となって大幅増益だった。

 化成品は0.5%増収で26.4%営業増益だった。ゴム関連商品の需要が自動車向け中心に回復基調となった。化学品関連商品は主力の塗料・インキ原料が好調だった。機械資材は3.4%増収で15.5%営業増益だった。日系自動車メーカー向けシート周辺部材が伸長した。海外現地法人は45.6%増収で39.6%営業増益だった。中国(上海)の自動車部品が大幅伸長し、タイやベトナムも順調だった。なお非連結だったインドネシアの子会社を第1四半期に新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円だった。

 通期連結業績予想は5月11日に上方修正(売上高を60億円、営業利益を20億円、経常利益を21億円、当期純利益を15億円上方修正)して、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円とした。配当予想も第2四半期末を50銭上方修正して20年9月期比50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)とした。

 第3四半期以降も新型コロナウイルスの影響による不透明感が継続するが、第2四半期累計が想定を上回ったため通期予想を上方修正し、従来の減益予想から一転して大幅増益予想とした。修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.7%、営業利益が60.6%、経常利益が63.8%、当期純利益が63.5%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。上方修正を評価して上値を試す展開を期待したい。5月11日の終値は1109円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、時価総額は約322億円である。

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