【編集長の視点】綿半HDは月次売上高の連続プラスをテコに内需バリュー株買いが再燃し反発

編集長の視点

綿半ホールディングス<3199>(東2)は、9円高の830円と反発して始まって6月9日につけた年初来高値845円に肉薄し、昨年12月につけた上場来高値929円を意識する動きを強めている。きょう15日の日経平均株価が、201円安と反落してスタートし波乱様相を強めている相場環境下で、同社株に内需系のバリュー株買いが再燃しており、今年6月10日に発表した今年5月の月次売上高が、2カ月連続して前年同月を上回ったことや、積極的な新規店舗出店や既存店のリニューアルオープンを要因に今3月期業績の上ぶれが期待されていることなどが、買い手掛かりとなっている。

■スーパーセンター業態店を新規開店し既存店も地域一番店に積極改装

同社は、長野県を地盤にホームセンターを展開するとともに、特許を取得した屋根改修工法などのよる建設事業や天然原料の輸入専門商社として特定分野で高シェア・高収益を上げる貿易事業も経営の柱としている。ホームセンター事業でも、長野県で唯一、生鮮商品を扱う売り場を併設し10万点を超える品揃えを充実させ、地域一番点の競争力を誇っている。今3月期の店舗戦略は、今年4月に「綿半ホームエイト川中島店」をリニューアルして生鮮食品を加えて小型スーパーセンターとしてオープンしたのに続き、5月27日には「綿半スーパーセンター豊科店」(長野県安曇野市)を新規開店、スーパーセンター業態として9店目、合計店舗数は17店舗となった。

この新規開店や既存店改装などが寄与し、今年5月の月次売上高は、既存店が前年同月比8.8%増、全店では同11.2%増と4月に続いて前年同月を上回った。このスーパーセンター業態店は、さら年内に「塩尻店」のオープンも予定しており、業績上ぶれ期待を高めている。

今3月期業績は、売り上げ881億100万円(前期比5.4%増)、営業利益11億3200万円(同11.2%増)、経常利益12億5200万円(同10.0%増)と消費税増税の影響を受けた前期業績からの増収増益転換を予想している。ただ純利益については、会社区分の見直しによる繰延資産の計上が、前期の6億円から今期に2億円に減少するため、11億4800万円(同13.9%減)と減益転換を見込んでいるが、この会計上の要因を除くと実質で前期比2億円の増益となる。

■PER7倍台、PBR0.8倍の割安修正で「半値戻しは全値戻し」へ弾み

株価は、昨年12月24日に公開価格640円で新規株式公開(IPO)され680円で初値をつけストップ高を交えて上場来高値929円まで買い進まれたあと、同安値708円と調整、前3月期期末の配当権利落ちで719円と再調整したが、最安値目前で下値抵抗力を発揮し、25日移動平均線を下値支持線に右肩上がりトレンドが続き845円の戻り高値をつけ、調整幅の半値戻しをクリアしてきた。PERは7倍台、PBRは0.8倍、配当利回りは1.80%となお割安であり、内需バリュー株買いの高まりで「半値戻しは全値戻し」の相場格言通りに最高値奪回から上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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