クレスコは22年3月期1Q大幅営業増益と順調

(決算速報)
 クレスコ<4674>(東1)はITサービス事業を主力として、デジタルソリューション事業の拡大を推進している。8月6日の取引時間終了後に22年3月期第1四半期連結業績を発表した。受注が堅調に推移し、生産性向上や不採算プロジェクト解消も寄与して大幅営業増益と順調だった。そして通期増収増益予想を据え置いた。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は年初来高値圏から反落したが、第1四半期業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期1Q大幅営業増益と順調、通期増収増益予想据え置き

 22年3月期第1四半期連結業績は売上高が前年同期比5.0%増の98億70百万円、営業利益が87.4%増の7億99百万円、経常利益が4.2%増の8億83百万円、親会社株主帰属四半期純利益が26.5%増の7億02百万円だった。

 受注が堅調に推移し、営業利益は生産性向上や不採算プロジェクト解消も寄与して大幅増益だった。経常利益は前期計上のデリバティブ評価益が剥落して小幅増益、四半期純利益は投資有価証券売却益を計上して大幅増益だった。受注高は35.3%増の116億44百万円だった。

 ITサービス(22年3月期からセグメント区分変更、前年比は組み替え後)は売上高が3.2%増の94億84百万円、営業利益が52.7%増の11億36百万円だった。エンタープライズが4.6%増収、金融が3.4%増収、製造が0.5%増収と概ね堅調に推移し、生産性向上や不採算プロジェクト解消も寄与して大幅増益だった。デジタルソリューション事業は売上高が77.4%増の3億86百万円、営業利益が88.9%減の1百万円だった。クラウド関連が増加したが、事業推進に向けた人材投資で減益だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が21年3月期比6.8%増の424億円、営業利益が10.5%増の38億50百万円、経常利益が2.4%増の42億円、親会社株主帰属当期純利益が8.2%増の28億50百万円としている。配当予想は2円増配の40円(第2四半期末20円、期末20円)である。

 顧客のIT投資が順調に回復して増収増益予想としている。第1四半期の進捗率は売上高が23.3%、営業利益が20.8%、経常利益が21.0%とやや低水準の形だが、顧客の予算執行時期の関係で下期の構成比が高い特性がある。これを勘案すれば順調な進捗率と言えるだろう。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は年初来高値圏から反落したが、第1四半期業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月6日の終値は1875円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS135円59銭)で算出は約14倍、時価総額は約431億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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