清水建設は洋上風力建設分野で欧州有力企業とアライアンス

■洋上風力発電施設のEPC受注に向け、オランダHeerema社と協業

 清水建設<1803>(東1)は2日、オランダのHeerema Marine Contractors(ヘーレマ・マリンコントラクターズ:Heerema社)と、洋上風力建設分野での協力体制の構築に関する覚書を締結したと発表。

 Heerema社は、長年にわたり洋上石油・ガス開発工事や洋上風力発電所の建設工事を手掛けてきた海洋エンジニアリング・建設企業。同社は今後、欧州・アジアで多くの洋上風力建設プロジェクトに携わってきた同社と連携し、日本国内で計画されている洋上風力発電施設のEPC(設計・調達・建設)受注を目指していく。

 日本では、2019年4月に施行された「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律」(再エネ海域利用法)に基づき、促進区域の指定や公募による事業者選定が始まるなど、洋上風力発電の導入に向けた動きが加速している。政府の「洋上風力産業ビジョン(第1次)」では洋上風力発電能力を2030年までに10GW、2040年間までに30~45GWに増強する目標が掲げられており、今後、洋上風力建設市場の急速な拡大が見込まれる。

 同社はこうした状況下、日本の洋上風力建設市場でトップシェアを獲得すべく、約500億円を投じ、世界最大級の搭載能力・クレーン能力を備える自航式SEP船(自己昇降式作業台船)の建造を進めている。一方、洋上風力発電施設のEPC受注に向けては、洋上風力発電の導入が進む欧州で施工実績を重ねてきた海外企業との協業が不可欠。そこで同社は、大型クレーン船を保有し洋上風力建設分野で欧州有数の施工実績を有するHeerema社とのアライアンス構築を決定した。同社は同アライアンスにおいて、同社が参画する洋上風力建設プロジェクトの風車基礎工事を主に担当する。

 同社は、洋上風力建設分野において、SEP船の運航と洋上風車据え付け工事で欧州有数の実績を持つノルウェーのFred.Olsen Ocean社(FOO社)とも協力体制を構築している。FOO社、Heerema社とのアライアンス構築により、大型SEP船の運航から風車の基礎・据え付け工事に至る一連のプロセスについて、競争力のある施工体制を確立することができた。

 同社は、今後予想される洋上風車の大型化に対応できる高性能SEP船と海外パートナー企業とのアライアンスを武器に、洋上風力発電施設のEPC受注の拡大を図り、脱炭素社会の実現に寄与していく考えとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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