【編集長の視点】ファンデリーは上場来安値から急反発、独自のビジネスモデルを再評価して直近IPO株人気

編集長の視点

ファンデリー<3137>(東マ)は、68円高の1140円と3営業日ぶりに急反発して始まり、前日29日ザラ場につけた上場来安値1061円からの底上げを鮮明化している。同社株は、今年6月25日に公開価格765円で新規株式公開(IPO)されたばかりで、1546円で初値をつけて上場来高値1676円まで買い進まれギリシャ債務問題による世界的地な株安の影響を受けて下ぶれたが、健康食の宅配事業(MFD事業)を展開する独自のビジネスモデルを手掛かりに、上値がシコリが少ないとして直近IPO株買いが再燃している。昨年2014年、今年2015年に相次いでIPOされた医療・健康関連の4銘柄が、初値形成後のセカンダリーで上場来高値まで約3倍化していることへの比較感も働き、なお上値余地が大きいとの評価も高まっている。

■健康食の宅配事業の紹介ネットワーク、顧客数は高齢化を背景に高成長

同社のMDF事業は、同社の栄養士がメニュー開発した健康食を医療機関・介護施設に配布した通販カタログ「ミールタイム」、「ミールタイムファーマ」によって周知し、栄養士が電話で注文を受けて宅配している。この通販カタログの紹介ネットワークは、今年3月末現在で医療機関1万2598カ所、保健所・介護施設など1379カ所、調剤薬局など3943カ所の合計1万7920カ所と2014年3月末に比べて26.2%増加し、顧客数も、同14.2%増の15万2000人に達している。この紹介ネットワーク数・顧客数は、2004年のサービス開始以来、高成長しており、今2016年3月期のネットワーク数は、前期比14.4%増、会員数は同12.1%増、受注件数は同12.2%増の38万6000件と見込んでいる。

今後も、MDF事業の好展開が予想される。高齢化の進展・高齢単身世帯比率の拡大に加え、生活習慣病患者も増加、高血圧患者は約5490万人、糖尿病患者は約2050万人と推計されており、同社の栄養士が電話によるカウンセリング相談を受け、健康食レシピ情報サイトによる情報提供も行っているためで紹介ネットワーク数の増加も相乗効果を発揮する。業績も、4万1000人に達する栄養士のコミュニティサイト「フーディッシュ」を活用したマーケティング支援事業も上乗せになって続伸、今2016年3月期業績は、売り上げ29億3900万円(前期比10.1%増)、経常利益4億5100万円(同3.2%増)、純利益2億7100万円(同4.6%増)と見込んでいる。

■同じ高齢医療関連株のセカンダリー高値を連想し最高値奪回に再発進

株価は、独自ビジネスモデルの評価と公開規模の資金吸収額が8億円台と小規模にとどまったことから初値倍率が2.0倍と高人気となり、地相場を探るセカンダリー展開となっている。このセカンダリーでは、今年3月26日にIPOされた同じ高齢者医療関連の介護用ベッド製造・販売のプラッツ<7813>(東マ)は、上場来高値まで公開価格比3.5倍化しており、連想を強め再発進、上場来高値奪回からの高値チャレンジが想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)

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