鹿島は建設工事の危険予知活動にAIを導入、過去の膨大な災害事例を見える化

■過去の膨大な災害事例を解析し、類似作業の災害事例を見える化!

 鹿島<1812>(東1)は10月14日、建設業・製造業のDXを支援するUNAIITと共同で、鹿島が保有する約5000件の災害事例と、厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」に掲載されている約6万4000件の災害事例をAIを用いて解析し、類似作業の災害事例を見える化するシステム「鹿島セーフナビ(K-SAFE)(TM)」(特許、商標出願中)を開発したと発表。

 同システムを活用することで、現場の安全担当者に対して各種作業の災害事例を多面的に提示できるようになり、危険予知活動の精度が飛躍的に向上する。

 建設現場では作業前に必ず、作業担当者の経験・知識・感覚を基に、起こり得る災害を予測し対策を立案する「危険予知活動」を行う。このため、作業担当者が該当作業に関連する過去の災害事例を数多く参照できれば、危険予知の精度向上につながることが期待されるが、膨大な事例の中から該当事例を自ら選定することは多くの手間と時間がかかる。また、災害事例に記載された作業内容、災害原因、災害状況は「自然言語(自由に記述された文章)」のため、どのような作業においてどのような原因で災害が起こったのかという「災害傾向」の把握には、災害事例をすべて読み解く必要があり、日々の危険予知活動における災害事例データの効果的な活用の障害となっていた。

■システムの特長と機能

 災害事例は、鹿島が保有する約5000件に加え、厚生労働省の運営サイトに蓄積された約6万4000件のデータを取り込み、AIの「自然言語処理技術」を用いて解析することで、災害原因を特定。特定した災害原因をクラスタリング(分類)や代表的キーワードでラベリング(タイトル付け)する。システム上で文章入力した作業内容を災害事例データと照合し、類似作業の災害傾向をグラフ表示する。グラフ表示は災害の原因や状況別などに切り替えができ、それぞれの災害件数を一目で把握可能。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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