神鋼商事は22年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

(決算速報)
神鋼商事<8075>(東1)は10月29日の取引時間中に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益となり、通期利益予想を上方修正(7月30日に続いて2回目)した。需要が回復基調であり、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。なお新市場区分についてプライム市場選択を発表している。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計大幅増益、通期利益予想を2回目の上方修正

22年3月期第2四半期累計の連結業績(収益認識基準適用のため売上高の前期比増減率は非記載)は、売上高が2241億76百万円、営業利益が前年同期比3.0倍の40億86百万円、経常利益が2.8倍の45億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7.9倍の38億58百万円だった。特別利益に負ののれん発生益1億83百万円を計上し、特別損失では投資有価証券評価損が4億57百万円減少した。

取扱量増加や価格上昇などで従来予想を上回る大幅増益だった。従来予想に対して売上高は138億23百万円下回ったが、営業利益は1億86百万円、経常利益は4億63百万円、親会社株主帰属四半期純利益は9億58百万円、それぞれ上回った。

セグメント別経常利益は、鉄鋼が取扱量増加や価格上昇で5.8倍の24億67百万円、鉄鋼原料が海外子会社の収益悪化で92.9%減の7百万円、非鉄金属が数量増加で3.5倍の16億92百万円、機械・情報が圧延設備や半導体関連装置などの減少で47.4%減の3億24百万円、溶材が自動車・建設機械向け溶接材料の増加などで3.5倍の1億07百万円だった。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が1139億44百万円で経常利益が23億26百万円、第2四半期は売上高が1102億32百万円で経常利益が24億80百万円だった。

第2四半期累計の利益が従来予想を上回ったことを受けて、通期利益予想を上方修正(売上高を240億円下方修正、営業利益を8億円、経常利益を9億円、親会社株主帰属当期純利益を13億円それぞれ上方修正)した。利益予想は7月30日に続いて2回目の上方修正である。

修正後の通期連結業績予想は、売上高が4590億円、営業利益が21年3月期比93.1%増の86億円、経常利益が2.0倍の82億円、親会社株主帰属当期純利益が2.9倍の64億円としている。なお配当予想(7月30日に第2四半期末35円、期末35円、合計70円上方修正)は据え置いて、21年3月期比120円増配の170円(第2四半期末85円、期末85円)としている。

セグメント別経常利益の計画は鉄鋼が30億円増加の36億円、鉄鋼原料が1億円増加の4億円、非鉄金属が9億円増加の28億円、機械・情報が1億円減少の11億円、溶材が2億円増加の3億円としている。

修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が48.8%、営業利益が47.5%、経常利益が55.6%、純利益が60.3%となる。世界的に経済活動再開に伴って需要が回復基調であり、価格上昇なども勘案すれば、通期利益予想は3回目の上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

株価は上方修正を好感して年初来高値を更新する場面があった。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月29日の終値は3475円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS722円77銭で算出)は約5倍、時価総額は約308億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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