テンポイノベーションは22年3月期2Q累計が計画を上回る大幅増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東1)は11月2日の取引時間終了後に22年3月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続したが、転貸借契約件数が回復基調となって計画を上回る大幅増益だった。下期は飲食業界に活気が戻ることも期待される。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。中期的にも積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■22年3月期2Q累計は計画を上回る大幅増益、通期上振れの可能性

 22年3月期第2四半期累計の業績(非連結、収益認識基準を適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比9.5%増の56億67百万円となり、営業利益が52.0%増の4億41百万円、経常利益が40.1%増の4億68百万円、四半期純利益が43.7%増の3億17百万円だった。

 従来予想(売上高56億64百万円、営業利益3億91百万円、経常利益4億27百万円、四半期純利益2億92百万円)を上回る大幅増益だった。コロナ禍で外食業界の厳しい状況が継続したが、転貸借契約件数が回復基調となった。固定費が膨らむ大型店舗物件などについては出店需要に弱さが見られるものの、コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して、小規模・好立地・居抜き店舗物件の積極的な仕入を推進した。

 店舗転貸借事業は売上高が5.0%増の49億96百万円、営業利益が54.5%増の3億39百万円だった。新規契約件数および後継付け契約件数(閉店した店舗について新規出店者と転貸借契約を締結した件数)の合計転貸借契約件数は前年同期比54.0%増の191件だった。期末時点の転貸借物件数は21年3月期末比106件増加して1812件となった。

 不動産売買事業は売上高が61.7%増の6億70百万円、営業利益が44.1%増の1億02百万円だった。2物件を売却、3物件を取得して期末時点の保有物件数は3件となった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億43百万円で業利益が2億23百万円、第2四半期は売上高が29億24百万円で営業利益が2億18百万円だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が21年3月期比9.6%増の113億34百万円、営業利益が11.3%増の8億14百万円、経常利益が3.4%増の8億70百万円、当期純利益が3.4%増の5億95百万円としている。配当予想は未定としている。

 期末転貸借物件数は210件増加の1916件、成約件数は106件増加の420件の計画としている。コロナ禍で飲食業界の厳しい状況が継続するが、飲食店経営者のニーズの変化に合致した店舗物件の仕入を推進する。コロナ禍収束への過程でテナント募集が増加し、平常時よりも優良店舗物件を仕入れる機会が増加する可能性もあるとしている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が50.0%、営業利益が54.2%、経常利益が53.4%%、当期純利益が53.3%と順調だった。緊急事態宣言解除に伴って飲食業界への営業自粛要請(酒類提供自粛、営業時間短縮、人数制限など)が緩和され、下期は飲食業界に活気が戻ることも期待される。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。中期的にも積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は徐々に水準を切り上げて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月2日の終値は952円、今期予想PER(会社予想のEPS33円39銭で算出)は約29倍、時価総額は約168億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る