エル・ティー・エスは調整一巡、21年12月期大幅増収増益予想で3Q累計順調

【どう見るこの株】

 エル・ティー・エス<6560>(東1)はビジネスプロセスマネジメントを通じて、顧客企業のビジネスを変革・成長させるサービスを展開している。21年12月期大幅増収増益予想である。第3四半期累計は順調だった。通期ベースでも好業績を期待したい。DXの流れが追い風であり、22年12月期も収益拡大基調だろう。株価は上値を切り下げる形で軟調展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■ビジネス変革・成長サービス

 ビジネスプロセスマネジメントを通じて、顧客企業のビジネスを変革・成長させるサービスを展開している。事業区分はプロフェッショナルサービス事業、プラットフォーム事業としている。20年12月にはBPO事業やシステム開発・保守のソフテックを子会社化した。

 中期経営計画の目標値は24年12月期売上高120億円、営業利益18億円、営業利益率15%としている。人材の採用・育成強化およびナレッジ連携、先進企業群との関係強化、営業エリア拡大、産学連携や自治体向けサービスの拡大、グループ経営の強化などを推進し、ESG投資やSDGsへの取り組みも強化する方針だ。

 21年7月には、エフェクチュエーションの原理を活用してビジネスイノベーションを生み出す流れを実現する「エフェクチュエーションブートキャンプ」の提供を開始した。また11月9日には、広島県が構築した実証実験の場「ひろしまサンドボックス」で、エフェクチュエーションの論理を活用した「セコンドを育成するメンタリングプログラム」の提供を開始したと発表している。

■21年12月期大幅増収増益予想で3Q累計順調

 21年12月期連結業績予想は、売上高が20年12月期比26.0%増の70億円、営業利益が21.2%増の5億80百万円、EBITDAが24.3%増の6億56百万円、経常利益が18.5%増の5億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が26.1%増の3億41百万円としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比30.3%増の53億24百万円となり、営業利益が14.6%増の4億44百万円、EBITDAが17.5%増の4億96百万円、経常利益が24.8%増の4億24百万円、親会社株主帰属四半期純利益が19.8%増の2億62百万円だった。大幅増収増益だった。

 主力のプロフェッショナルサービス事業は、旺盛なDX需要が追い風となり、売上高が29.9%増の51億41百万円で、営業利益が14.5%増の4億06百万円だった。プラットフォーム事業は、アサインナビ会員数が順調に増加して、売上高が40.3%増の2億34百万円で、営業利益が15.6%増の38百万円だった。

 通期予想は据え置いた。プロフェッショナルサービス事業は売上高が25.8%増の67億50百万円で営業利益が22.4%増の5億30百万円、プラットフォーム事業は売上高が26.3%増の3億円で営業利益が9.6%増の50百万円としている。増収効果で人件費増加などの先行投資を吸収する見込みだ。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が76.1%、営業利益が76.7%と順調だった。通期ベースでも好業績を期待したい。DXの流れが追い風であり、22年12月期も収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は上値を切り下げる形の軟調展開が続いているが、調整一巡して出直りを期待したい。11月22日の終値は3045円、時価総額は約129億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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