日経平均週足は包み足の強い形で上値指向、ギリシャ国民投票次第では急伸も=犬丸正寛の相場展望

犬丸正寛

犬丸正寛の相場展望 日経平均の週足でみれば強い展開である。6月第4週(6月22日~26日)の週足は約500円幅の大きい陽線でその前の週足4本を包み込む足となりチャートでは強い動きとされる。しかも、昨年10月以降、下値は13週線にサポートされる好展開となっている。チャートで見る限り、日経平均の上昇基調は続いている。

背景には、引き続きROEに対する注目があるだろう。「スチュワードコードとコーポレートガバナンスコードにより企業がROEを重視してきたことが大きい。アベノミクスを表通りとすれば、2つのコードは裏通りといえるが効果は非常に大きい」(経済評論家・小倉正男氏)という。

今年5月頃からROEが10%を超えるエリート的銘柄が好人気となっている。「エリート銘柄はまだ買い切っていない。少なくとも年内一杯は続くだろう。東証1部の売買単価は1100円台の高水準が続くだろう」(中堅証券)との見方である。さらに、「年末には日経平均2万4000円を見通している。米国の利上げでドル高・円安基調から円安関連の主力が引き続き中心の展開だろう」(株式評論家・中西文行氏)との見方だ。

足元では、ギリシャのIMFへの返済不履行が表面化したが世界のマーケットが大崩れする展開ではなかった。5日のギリシャの国民投票の結果にもよるが、仮に、ギリシャ国民がユーロ圏に残る道を選択すれば週明けのNYダウなど世界のマーケットは急伸が予想される。

国内では3月期決算銘柄の第1四半期(4~6月)決算が発表となる。前期決算を発表した4月末から5月頃に比べると円安となっていることから輸出関連銘柄に対し好決算が期待される。ただ、それによって来年3月期を上方修正するとは思えないが、「上方修正含みの内容」として株価の上値追いの手掛かりとなるだろう。

個人投資家は優良株をかなり売却したとみられることからう上値での売り物はかなり薄くなっている。むしろ、個人は先の日経平均2万円割れでは大量買いに出たようにこれから下げれば個人買いは予想される。マーケット全体に派手さはないものの上昇相場が続きそうである。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る