【どう見るこの株】セグエグループは下値固め完了、22年12月期は収益拡大基調

 セグエグループ<3968>(東1)は、ネットワークセキュリティのリーディングカンパニーを目指し、ITソリューション事業を展開している。21年12月期は世界的な半導体不足、為替、先行投資などの影響で減益予想としたが、システムインテグレーションビジネスは好調に推移している。22年12月期は収益回拡大調だろう。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。

■ITソリューション事業を展開

 ネットワークセキュリティのリーディングカンパニーを目指し、ITソリューション事業(ソリューションプロダクト事業、ソリューションサービス事業)を展開する純粋持株会社である。子会社においてITインフラおよびネットワークセキュリティ製品の設計・販売・構築・運用・保守サービスを展開している。

 中核子会社のジェイズ・コミュニケーションは、プロダクト販売のVAD(Value Added Distributor=他社メーカー製品を技術的付加価値と共に販社や顧客に提供する代理店)ビジネス、メーカービジネスである自社ソフトウェア開発、およびSIビジネスのシステムソリューションを展開している。自社開発プロダクトの主力は「RevoWorks」シリーズである。なお22年1月にジェイズ・コミュニケーションが、同じく子会社のファルコンシステムコンサルティングおよびアステムを吸収合併予定である。

 成長に向けたM&A・アライアンスでは、20年12月にテレワークソリューションのZenmuTechに出資、21年2月にAI解析ソリューションのEAGLYSに出資、21年9月に運用自動化ソリューション「Kompira」のフィックスポイント、21年11月に人財育成成果を可視化するラーニングエクスペリエンスプラットフォームのmanebiに出資している。

■21年12月期減益予想だが、22年12月期収益拡大基調

 21年12月期連結業績予想(11月11日に下方修正)は、売上高が20年12月期比12.1%増の123億25百万円だが、営業利益が31.8%減の5億75百万円、経常利益が28.5%減の6億25百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が30.6%減の4億40百万円としている。

 システムインテグレーションビジネスは好調に推移しているが、安定的な利益確保の基盤となるVADビジネスが世界的な半導体不足による機器の納期遅延の影響を受け、第3四半期以降の円安進行による海外仕入コストの上昇も影響する。

 なお第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.2%増の83億93百万円、営業利益が35.9%減の2億83百万円だった。売上高はソリューションプロダクト事業が4.5%増の42億72百万円、ソリューションサービス事業が19.2%増の41億21百万円だった。ビジネス別の売上総利益はシステムインテグレーションビジネスが22.9%増の10.6億円、VADビジネスが14.0%減の8.8億円、自社開発ビジネスが0.9%増の1.7億円だった。

 21年12月期は世界的な半導体不足や為替の影響、さらに積極的な先行投資による販管費の増加なども考慮して、従来の増益予想から一転して減益予想としたが、システムインテグレーションビジネスは好調に推移している。22年12月期は収益拡大基調だろう。

■株価は下値固め完了

 なお11月11日には自己株式取得(上限37.5万株・3億円、取得期間21年11月15日~22年2月28日)を発表している。

 株価は下方修正も嫌気して年初来安値圏でモミ合う形だが下値固め完了感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。12月3日の終値は753円、時価総額は約88億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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