トシン・グループは年初来高値圏、22年5月期は上振れの可能性

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

トシン・グループ<2761>(JQ)は住宅に関する総合提案企業として、首都圏を中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開している。地域密着の営業活動による小口多数販売や専門部署による得意先営業活動支援が強みだ。22年5月期は需要の緩やかな回復を想定し、積極的な営業展開で増収増益予想としている。さらに上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。なお新市場区分に関して12月3日に、スタンダード市場選択申請書提出および「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」作成を発表した。株価は年初来高値圏だ。地合いが悪化した中でも堅調に推移している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■首都圏を中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開

 住宅に関する総合提案企業グループである。同社は事業持株会社としてグループ全体の仕入・戦略企画立案・管理業務を行い、連結子会社のトシン電機、丸菱電機、ライト電機、あかり・ライフインテリア、山之内電材が、首都圏を中心に電設資材や住宅設備機器(電線・配管機材、住宅内・外装建材、照明器具、エアコン、太陽光発電システム、TVドアホン、火災報知器など)の卸売事業を展開している。

 仕入先は大手電機メーカーを中心に幅広く、販売先は中小規模の電気工事店、電設店、工務店を主たる顧客としている。営業拠点は東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木にグループ合計110拠点を展開している。

 地域密着の営業活動による小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを強みとしている。住環境に対するニーズが多様化する中で、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。

 株主還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。

 21年8月には、公益財団法人財務会計基準機構への加入状況および加入に関する考え方等に関してリリースした。会計基準の内容または変更等について適切に把握することは上場会社における重要課題と認識しており、監査法人等との連携を密にするとともに、財務会計責任者および担当者の各種セミナーへの定期的な参加などで、会計基準の内容や変更等に関する情報を収集しつつ、適切に対応するよう努めている。財務会計基準機構への加入については、当社の企業規模、費用対効果の面および状況の変化等を勘案しながら引き続き検討するとしている。

■22年5月期増収増益予想、さらに上振れの可能性

 22年5月期(21年5月21日~22年5月20日)の連結業績予想は、売上高が21年5月期比1.5%増の412億50百万円、営業利益が1.6%増の16億40百万円、経常利益が5.5%増の23億97百万円、親会社株主帰属当期純利益が5.3%増の15億40百万円としている。配当予想は21年5月期と同額の56円(第2四半期末28円、期末28円)である。

 第1四半期は、売上高が前年同期比1.4%増の95億06百万円で、営業利益が44.9%増の3億52百万円、経常利益が30.9%増の5億06百万円、親会社株主帰属四半期純利益が62.9%増の3億08百万円だった。

 新築住宅着工戸数にやや改善の兆しが見られたものの、コロナ禍の影響などで電材卸売業界全体の厳しい受注環境が継続した。しかし、基本戦略である小口多数販売の展開で小幅ながら増収を確保し、販管費の抑制も寄与して大幅増益だった。

 通期予想は据え置いた。コロナ禍の影響で不透明感が強いが、期後半に向けて影響が和らいで需要が緩やかに回復すると想定し、得意とする地域密着の営業活動による小口多数販売を推進して、小幅ながら増収増益予想としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.0%、営業利益21.5%、経常利益21.1%、純利益20.0だった。住宅関連のため第2四半期と第4四半期の構成比が高くなる傾向があることを勘案すれば、通期予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は年初来高値圏

 なお22年4月4日移行予定の新市場区分に関しては、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式比率がスタンダード市場の基準を充たしていないため、12月3日にスタンダード市場選択申請書の提出および「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」作成を発表した。27年5月期を目処に、自己株式の消却と創業家を含めた既存株主が保有する株式の売却を主体に、上場維持基準の適合を目指すとしている。

 株価は年初来高値圏だ。地合いが悪化した中でも堅調に推移している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。7000円近辺のフシを突破すれば19年の上場来高値も視野に入りそうだ。12月6日の終値は6890円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS193円72銭で算出)は約36倍、今期予想配当利回り(会社予想の56円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS4674円24銭で算出)は約1.5倍、そして時価総額は約786億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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