【どう見るこの株】イーソルは底値圏、22年12月期収益拡大期待

どう見るこの株

 イーソル<4420>(東1)は組込ソフトウェア事業を主力として、センシングソリューション事業も展開している。21年12月期は自社製品の開発投資を加速するため減益予想だが、22年12月期の収益拡大を期待したい。株価は上場来安値を更新して軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。21年12月期減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。

■組込ソフトウェア事業が主力

 組込機器向けソフトウェアRTOS(リアルタイム・オオペレーティング・システム)開発・販売や組込ソフトエンジニアリングサービス(受託業務)の組込ソフトウェア事業を主力として、センシングソリューション事業(伝票発行用車載プリンタ・ハンディターミナル開発・販売などの物流関連ビジネス、IoT市場に向けたソリューションビジネス)も展開している。

 21年12月期第3四半期累計の得意先セクター別売上構成比は自動車42%、コンシューマ機器19%、工業制御・FA・産業機器7%、医療・福祉関係5%、食品5%、コンピュータ周辺・OA機器5%などとなっている。

 独自OSを持つ国内ベンダーとして、電子化が進む自動車市場を成長ドライバーと位置付け、世界市場をターゲットとした開発投資を加速している。21年9月にはデンソー<6902>との資本関係を強化し、車載関連ソフトウェアプラットフォーム開発連携を強化した。

■21年12月期は開発投資で減益予想だが22年12月期収益拡大期待

 21年12月期の連結業績予想(9月13日に下方修正)は、売上高が20年12月期比0.9%増の91億23百万円、営業利益が97.3%減の18百万円、経常利益が70.4%減の2億69百万円、親会社株主帰属当期純利益が74.0%減の1億76百万円としている。開発投資を加速するため減益予想としている。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.3%減の66億52百万円、営業利益が67.0%減の1億31百万円、経常利益が38.1%減の3億79百万円、親会社株主帰属四半期純利益が40.8%減の2億71百万円だった。

 コンシューマ向けの売上減少で全体として微減収となり、開発投資の増加(前年同期比4億31百万円増加)で減益だった。なお営業外収益に、NEDOの「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」研究開発プロジェクトに係る助成金収入2億17百万円を計上(前年同期は2億円計上)している。

 21年12月期はデンソーとの資本関係および開発連携を強化し、自社製品の開発投資を加速するため減益予想だが、22年12月期の収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は上場来安値を更新して軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。21年12月期減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。12月7日の終値は694円、時価総額は約149億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る