アスカネットは22年4月期2Q累計黒字転換と順調

(決算速報)
 アスカネット<2438>(東マ)は12月10日の取引時間終了後に22年4月期第2四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍の影響が和らいで2桁増収となり、各利益とも黒字転換した。概ね計画水準で着地と順調だった。通期の増収・営業増益予想を据え置いた。後半に向けて需要が回復ペースを速めることも予想され、会社予想に上振れ余地がありそうだ。収益回復基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。

■22年4月期2Q累計黒字転換、通期増収・営業増益予想据え置き

 22年4月期第2四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比比13.4%増の29億30百万円、営業利益が1億13百万円の黒字(前年同期は56百万円の赤字)、経常利益が1億17百万円の黒字(同7百万円の赤字)、四半期純利益が80百万円の黒字(同10百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響が和らいで2桁増収となり、各利益とも黒字転換した。概ね計画水準で着地と順調だった。

 セグメント別(22年4月期から名称変更、内部売上・全社費用等調整前)に見ると、葬儀関連のフューネラル事業は売上高が11.1%増の12億79百万円で営業利益が19.7%増の2億99百万円だった。葬儀の小型化が継続しているが、葬儀施行件数が徐々に正常化して新規契約件数が順調に推移し、遺影写真加工収入や動画等葬儀演出サービスなどの売上が増加した。

 写真集関連のフォトブック事業は売上高が15.6%増の15億94百万円で営業利益が3.1倍の2億47百万円だった。旅行やイベントの自粛による撮影機会減少で一般消費者向けは厳しい状況が続いているが、プロ写真家向けのウェディング関連においてコロナ禍の影響が緩やかに和らいで売上が想定以上に回復した。売上回復に伴って売上原価率が改善した。

 空中結像プレートASKA3D関連の空中ディスプレイ事業は、売上高が5.3%増の57百万円で営業利益が1億70百万円の赤字(前年同期は1億23百万円の赤字)だった。コロナ禍で営業活動が制約を受けたため売上の伸びが小幅にとどまり、技術開発センター本格稼働に伴って研究開発費が増加したため赤字が拡大した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が14億66百万円で営業利益が42百万円、第2四半期は売上高が14億64百万円で営業利益が71百万円だった。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて、売上高が21年4月期比8.6%増の62億70百万円、営業利益が2.7%増の2億85百万円、経常利益が13.9%減の2億85百万円、当期純利益が11.3%減の2億円としている。配当予想は21年4月期と同額の7円(期末一括)である。

 セグメント別売上高計画は、フューネラル事業が8.6%増の62億70百万円、フォトブック事業が7.7%増の34億円、空中ディスプレイ事業が2.4倍の3億円としている。回復途上のフォトブック事業では、ウェディング業界の変化に対応して、小型ウェディング・フォトウェディング向けサービスの開発も推進する。

 事業環境としてコロナ禍の影響が期末に向けて徐々に和らぐことを想定し、増収・営業増益予想としている。費用面では減価償却費や研究開発費などが増加するが、増収効果で吸収する見込みだ。なお経常利益と当期純利益は前期計上した保険解約益の剥落で減益予想としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が46.7%、営業利益が39.6%、経常利益が41.1%、当期純利益が40.0%である。やや低水準の形だが、もともと下期の構成比が高い収益特性があることや、コロナ禍の影響が期末に向けて徐々に和らぐ想定であることを考慮すれば、概ね順調と言えるだろう。後半に向けて需要が回復ペースを速めることも予想され、会社予想に上振れ余地がありそうだ。通期ベースでも収益回復基調を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。12月10日の終値は762円、今期予想PER(会社予想のEPS11円87銭で算出)は約64倍、時価総額は約133億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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