【どう見るこの株】ブロードバンドセキュリティは調整一巡、21年6月期2桁増益予想

どう見るこの株

 ブロードバンドセキュリティ<4398>(JQ)は、セキュリティ対策の可視化から運用までをトータルに支援する企業向けセキュリティサービスプロバイダーである。22年6月期は需要が高水準に推移し、ゴメス・コンサルティング事業の承継も寄与して大幅増収増益予想としている。第1四半期の進捗率は低水準の形だったが、下期偏重の季節特性がある。通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏に回帰したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■企業向けセキュリティサービスを展開

 セキュリティ対策の可視化から運用までをトータルに支援する企業向けセキュリティサービスプロバイダーとして、セキュリティ監査・コンサルティングサービス、脆弱性診断サービス、情報漏えいIT対策サービスなどを展開している。

 SBIホールディングス<8473>のグループ会社で、21年7月にはモーニングスター<4765>からゴメス・コンサルティング事業を承継した。SBIグループと連携してDX支援関連事業の拡大を目指す方針だ。

■22年6月期2桁増益予想

 22年6月期の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響なし)予想は、売上高が21年6月期比15.1%増の50億円、営業利益が89.9%増の4億円、経常利益が95.5%増の3億86百万円、当期純利益が2.2倍の2億68百万円としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比22.6%増の11億53百万円、営業利益が35百万円(前年同期は8百万円の損失)、経常利益が30百万円(同10百万円の損失)、四半期純利益が16百万円(同9百万円の損失)だった。需要が高水準に推移して2桁増収となり、各利益は黒字転換した。売上高は第1四半期として過去最高だった。また営業利益は株式上場以来初の第1四半期黒字を達成した。

 売上高の内訳は、セキュリティ監査・コンサルティングサービスが84.6%増の2億57百万円、脆弱性診断サービスが18.9%増の3億31百万円、情報漏えいIT対策サービスが8.0%増の5億64百万円だった。セキュリティ監査・コンサルティングサービスはゴメス・コンサルティング事業の承継も寄与した。

 通期予想は据え置いている。売上高の計画はセキュリティ監査・コンサルティングサービスが67.6%増の12億円、脆弱性診断サービスが8.3%増の15億円、情報漏えいIT対策サービスが2.7%増の23億円としている。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が23.1%、営業利益が8.8%、経常利益が7.8%、当期純利益が6.0%と低水準の形だったが、下期偏重の季節特性がある。通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏に回帰したが、調整一巡して出直りを期待したい。12月29日の終値は1200円、時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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