【どう見るこの株】テモナは底値圏、22年9月期減益予想の織り込み完了

どう見るこの株

 テモナ<3985>(東1)はサブスクリプションビジネスに特化してEC事業者支援サービスを展開している。22年9月期は中期経営計画の初年度として人材投資を中心に先行投資を実行するため減益予想としているが、EC市場拡大も追い風として中期的に収益拡大を期待したい。新市場区分に関しては21年12月22日にプライム市場選択を申請するとともに、新市場区分の上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示している。株価は軟調展開で19年の上場来安値に接近したがほぼ底値圏だろう。22年9月期減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。

■サブスクリプションビジネスに特化してEC事業者支援サービスを展開

 サブスクリプションビジネスに特化してEC事業者支援サービスを展開している。主力のサービスは、従来の主力だった健康食品・化粧品業界向け単品通販・定期通販システムのたまごリピートから、大規模かつ様々な商材を扱うEC事業者までを対象としたショッピングカートシステムのサブスクストア(旧たまごリピートNext)にシフトしている。さらにB2B事業者向けワンストップ運営支援ツールのサブスクストB2Bや、リアル店舗向けサブスクリプション管理システムのサブスクアットなども展開している。

 21年9月期末時点のアカウント数は、サブスクストアが490、たまごリピートが649、サブスクストB2Bが13、サブスクアットが95だった。システムの月額利用料や決済手数料などが収益源となる。

 中期経営計画(22年9月期~24年9月期)では、目標数値に24年9月期売上高34億36百万円、営業利益7億03百万円、経常利益7億03百万円、当期純利益4億43百万円を掲げている。計画期間の3年間を更なる成長のための準備期間と位置付けて、ターゲット領域の拡大とサブスクバリューチェーンの拡充を推進する。ターゲット領域としては、短期的には食品や生活雑貨、中長期的にはデジタルコンテンツやシェアリングなどサブスク全般に関わる領域への拡大を目指す。

■22年9月期は先行投資で減益予想だが中長期的に収益拡大期待

 22年9月期業績(非連結、収益認識基準適用)予想は、売上高が21年9月期比5.4%減の22億74百万円、営業利益が55.9%減の2億01百万円、経常利益が55.9%減の2億02百万円、当期純利益が56.2%減の1億27百万円としている。なお21年9月期の売上高を収益認識基準適用後で試算した数値は20億10百万円となり、22年9月期の売上高は実質的には13.2%増収予想となる。

 中期経営計画の初年度として人材投資を中心に先行投資を積極的に実行するため減益予想としているが、EC市場拡大も追い風として中期的に収益拡大を期待したい。

■株価は底値圏

 22年4月4日移行予定の新市場区分に関しては、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果で流通株式時価総額がプライム市場の基準を充たしていないため、21年12月22日にプライム市場選択を申請するとともに、新市場区分の上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示している。中期経営計画の最終年度となる24年9月期末までにプライム市場の上場維持基準を充たすことを目指し、中期経営計画の推進による収益拡大やIRの強化など各種取組を推進する。

 株価は軟調展開で19年の上場来安値に接近したがほぼ底値圏だろう。22年9月期減益予想の織り込み完了して出直りを期待したい。1月4日の終値は474円、時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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