エスプールは22年11月期も大幅増収増益で連続増配予想

(決算速報)
 エスプール<2471>(東1)は1月13日の取引時間終了後に21年11月期連結業績を発表した。主力事業が好調に推移して大幅増収増益・増配だった。そして22年11月期も大幅増収増益で連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上場来高値圏から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■21年11月期大幅増収増益、22年11月期も大幅増収増益予想

 21年11月期の連結業績は、売上高が20年11月期比18.3%増の248億62百万円、営業利益が19.7%増の26億68百万円、経常利益が19.9%増の26億73百万円、親会社株主帰属当期純利益が19.0%増の18億81百万円だった。主力事業が好調に推移して計画を上回る大幅増収増益だった。配当は20年11月期比2円70銭増配の6円(期末一括)としている。

 ビジネスソリューション事業は売上高が32.1%増の76億96百万円で営業利益が31.0%増の21億21百万円だった。障がい者雇用支援(売上高は37%増の45億77百万円)が牽引した。企業ニーズが高水準に推移し、7施設(屋外4施設、屋内3施設)を開設し、期末時点の累計施設数は30施設となった。設備販売は計画の1035区画を大きく上回る1188区画となり、過去最高(936区画)を大幅に更新した。顧客数は417社、管理区画数は4951区画となった。ロジスティクス分野(売上高は8%増の12億61百万円)はEC通販発送代行が牽引し、利益率の低い顧客の入れ替えなど収益改善策を実施しながらも増収を確保した。採用支援「OMUSUBI」(売上高は9%増の6億16百万円)は、求人需要回復に対して外国人留学生や大学生の求職者数減少が影響したが、面接代行など他サービスで吸収して増収だった。

 人材ソリューション事業は売上高が13.0%増の172億34百万円で営業利益が8.7%増の19億10百万円だった。販売支援(売上高は23%減の16億70百万円)はコロナ禍の影響で回復が遅れたが、コールセンター業務(売上高は19%増の145億07百万円)が、従来のグループ型派遣の好調に加えて、自社コールセンター3施設開設に伴う受託案件の増加や、新型コロナ関連のスポット案件の増加なども寄与して順調に伸長した。

 なお新規事業の売上高は、環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)が2億58百万円、広域行政BPOサービスが1億30百万円だった。環境経営支援サービスはCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の回答支援案件が大幅に増加した。広域行政BPOサービスは事業開始3ヶ月で3地域から受注した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が54億10百万円で営業利益が3億87百万円、第2四半期は売上高が62億31百万円で営業利益が7億96百万円、第3四半期は売上高が63億90百万円で営業利益が7億47百万円、第4四半期は売上高が68億31百万円で営業利益が7億36百万円だった。第1四半期は障がい者雇用支援の新規施設開園費用が先行したが、第2四半期以降は新規施設の販売が寄与している。

 22年11月期連結業績(収益認識基準適用だが損益への影響軽微)予想は、売上高が21年11月期比15.7%増の287億70百万円、営業利益が19.9%増の32億円、経常利益が18.8%増の31億76百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.4%増の21億33百万円としている。配当予想は21年11月期比2円増配の8円(期末一括)としている。

 セグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が25.4%増の96億50百万円(うち障がい者雇用支援が20%増の55億円、ロジスティクス分野が13%増の14億27百万円、採用支援「OMUSUBI」が4%増の6億41百万円)で営業利益が22.2%増の25億92百万円、人材ソリューション事業の売上高が11.6%増の192億40百万円(うちコールセンター業務が13%増の164億50百万円、販売支援が10%増の18億30百万円)で営業利益が11.9%増の21億37百万円としている。障がい者雇用支援の新規開設は8農園(屋外5、屋内3)で、設備販売は1250区画としている。新規事業の売上高の計画は、広域行政BPOサービスが6億65百万円、環境経営支援サービス(ブルードットグリーン)が3億84百万円としている。体制強化や新規顧客獲得を推進する。

 主力事業が好調に推移して、売上高は10期連続、営業利益は7期連続で過去最高更新を目指す。中期経営計画(ローリング形式)の目標値には25年11月期売上高410億円、営業利益50億円を掲げた。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は上場来高値圏から反落し、地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。1月13日の終値は1056円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS27円01銭で算出)は約39倍、時価総額は約834億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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