カナモトは調整一巡、22年10月期増益・連続増配予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 カナモト<9678>(東1、新市場区分プライム)は建設機械レンタルの大手である。成長に向けた重点施策として国内営業基盤拡充、海外展開、内部オペレーション最適化を推進している。1月27日には子会社のサンワ機械リースを22年6月1日付で吸収合併すると発表した。22年10月期は公共投資が堅調に推移して増益・連続増配予想としている。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事需要が堅調であり、収益拡大基調だろう。4月4日移行予定の新市場区分についてはプライム市場に移行する。株価は地合い悪化の影響で反落して戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。

■建設機械レンタルの大手

 建設機械レンタルの大手で、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタル、福祉用具レンタルなども展開している。M&Aも活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。

 21年10月期の売上高構成比は建設関連事業が90.3%、その他(鉄鋼関連事業、情報通信関連事業、福祉関連事業など)が9.7%、営業利益構成比(連結調整前)は建設関連事業が92.2%、その他が7.8%だった。21年10月期末時点の営業拠点数は単体ベースで212拠点、アライアンスグループ合計では515拠点となった。

 21年4月には子会社アシストが、19年12月に子会社化した什器備品・ウォーターサーバーレンタルのコムサプライを吸収合併した。21年5月にはシステムソリューション商社の岩崎(札幌市)と業務提携した。21年9月には子会社のニシケンが子会社の九州建産を吸収合併した。

 1月27日には、道東・道北を中心に建設機械レンタル・販売を行う子会社のサンワ機械リース(18年8月子会社化)を、22年6月1日付で吸収合併すると発表した。

 収益面では建設工事の影響を受けやすく、売上高が第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する季節特性がある。なお収益認識に関する会計基準適用に伴い、建設機械等レンタル基本約款の改定を行い、21年11月1日から売上認識の始点を従来の出荷日基準から引渡日基準に変更する。

■中期経営計画で24年10月期営業利益230億円目標

 中期経営計画「Creative 60」では、目標値として24年10月期売上高2280億円、営業利益230億円、営業利益率10.1%などを掲げ、重点施策として国内営業基盤拡充、海外展開、内部オペレーション最適化を推進している。

 国内営業基盤拡充では、グループ総力を結集して既存エリアの深掘り、未進出エリア・低シェア領域の開拓、非建設分野への進出を推進している。さらに今後の強化分野として、維持補修分野への参入強化、再生可能エネルギー分野への参入強化、ICT・IoTソリューションの開発、地方再強化などを推進する。

 海外展開では、海外戦略2.0(Next Generation)へのバージョンアップによって、グローバルポートフォリオの最適化、カナモト版グローバルプラットフォームの確立、海外でのM&Aの取り組み、海外売上比率10%への布石を推進している。

 内部オペレーション最適化では、レンタルビジネスの収益性向上に向けた営業戦略とITの融合、商品企画・研究開発への資源投資、工事現場に必要な技術・システムの開発、業務効率向上、原価コントロール、長期的な安定稼働、人財の確保・育成などを推進している。

 また環境対策機への資産シフトなどによって、サステナビリティへの取り組みも強化している。さらに21年7月には、ESG経営に基づくガバナンス強化に向けて、金融安定理事会(FSB)によって設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明するとともに、TCFDコンソーシアムに参画した。21年12月には自社HPにサステナビリティページを開設した。

■22年10月期増益・連続増配予想

 22年10月期連結業績予想(収益認識基準適用のため売上高の前期比増減率非記載)は、売上高が1911億円、営業利益が21年10月期比6.7%増の156億円、経常利益が2.7%増の158億円、親会社株主帰属当期純利益が8.9%増の97億円としている。配当予想は5円増配の75円(第2四半期末35円、期末40円)としている。

 公共投資を中心に需要が堅調に推移して増益・連続増配予想としている。中期経営計画の目標達成に向けて、国内営業基盤の拡充、海外展開、内部オペレーション最適化を推進する。さらに社会資本の維持補修分野や再生可能エネルギー分野への対応も強化する方針だ。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事需要が堅調であり、収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 21年12月10日に発表した自己株式取得(上限120万株・20億円、取得期間21年12月13日~22年4月21日)については、21年12月31日時点で累計取得株式数が15万4600株となっている。

 株価は地合い悪化の影響で反落して戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。1月27日の終値は2200円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS262円19銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の75円で算出)は約3.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3357円10銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約852億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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