【株式市場特集】インフレヘッジ関連の資源株、リターン・リバーサル期待のハイテク株が狙い目

石油コンビナート

 当面は、かつての兜町のアノマリーを試すのも一法となるかもしれない。強気と弱気の両方の顔を立て、アノマリーを試す銘柄は二本建てとしたい。一方は、インフレヘッジ関連の資源株、もう一方は、ハイテク株のうち今年1月の月間下落率ランキングの上位にランクインした銘柄の「リターン・リバーサル」である。ここでも「インフレはモノ」、「下げた株ほど良く戻る」とするアノマリーが、有効となる可能性が出てくる。

■「インフレはモノ」のヘッジで原油関連、金関連の資源株にチャンス

 「インフレはモノ」のインフレヘッジの資源株では、前週末4日にウクライナを巡る地政学リスクを背景に原油先物(WTI)価格が一時、1バーレル=93.17ドルと2014年9月以来の高値に躍り出た原油関連株が要注目となる。産油株のINPEX<1605>(東1)、石油資源開発<1662>(東1)、産ガス株のK&Oエナジーグループ<1663>(東1)のほか石油元売りの出光興産<5019>(東1)、ENEOSホールディングス<5020>(東1)、コスモエネルギーホールディングス<5021>(東1)、石油精製の富士石油<5017>(東1)、東亜石油<5008>(東2)などである。

 今3月期業績を2回も上方修正し配当も増配した総合商社株もこの一角に位置し、伊藤忠商事<8001>(東1)、丸紅<8002>(東1)、三井物産<8031>(東1)、住友商事<8053>(東1)、三菱商事<8058>(東1)の五大商社に続き、双日<2768>(東1)、豊田通商<8015>(東1)、兼松<8020>(東1)などがそのバリュー株特性を見直されることになりそうだ。

 また「有事の金買い」も加わって2000ドル台の最高値更新の観測も出てきた金価格関連株では、産金株の中外鉱業<1491>(東2)、住友金属鉱山<5713>(東1)、DOWAホールディングス<5714>(東1)、貴金属リサイクルのアサカ理研<5724>(東2)、アサヒホールディングス<5857>(東1)、松田産業<7456>(東1)が、インフレヘッジ関連株に浮上する。

■「リターン・リバーサル」では1月月間の下落率上位のハイテク株に照準

 「リターン・リバーサル」期待のハイテク株は、今年1月の東証第1部月間値下がり率ランキングの上位にランクされた銘柄で、その第16位は3040円安、33.08%下落した日本電子<6951>(東1)となった。ただ同社株は、前週末4日大引け後に今3月期第3四半期決算の開示とともに、今期通期業績の2回目の上方修正も発表し純利益が、3期ぶりの過去最高を更新する更新幅が拡大することになり、1月の値下がり幅を大きくリカバーすることになりそうだ。

 第2位は、今年1月の大発会で上場来高値まで買われたレーザーテック<6920>(東1)で1月に1万円超も下値を探った。この2銘柄を含めワースト10銘柄は、値下がり率順にローランド ディー.ジー.<6789>(東1)、日本電波工業<6779>(東1)、オムロン<6645>(東1)、三井ハイテック<6966>(東1)、野村マイクロ・サイエンス<6254>(東1)、デクセリアルズ<4980>(東1)、富士通<6702>(東1)となり、ワースト10の富士通の値下がり幅は4710円、下落率は23%超となった。「リターン・リバーサル」の狙い目となろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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