【株式市場特集】株式分割銘柄とバリュー株の高配当権利取りにフォーカス

特集 ビジネス

 今週の当特集は、株式分割銘柄とバリュー株の「ニューノーマル(新しい常態)」を実現しつつある高配当銘柄の配当権利取りにフォーカスすることとした。格言の「闇夜で鉄砲」は、当たるか当たらないか心許ないことを教えているが、株式分割株も高配当銘柄も、業績上方修正を繰り返すほど好調に推移しており、仮にそうなったにしろ先行きの期待だけは継続しそうだ。

■分割銘柄は業績上方修正、増配も伴いファンダメンタルズは万全

 3月末に株式分割を予定している12社のうちコタ<4923>(東1)とCIJ<4826>(東1)は、分割比率がそれぞれ1対1.1、1対1.2と小幅にとどまり、コアコンセプト・テクノロジー<CCJ、4371>(東マ)は今12月期業績は続伸予想にあるものの配当は無配を継続し、アイ・パートナーズフィナンシャル<7345>(東マ)は今3月期業績を下方修正したが配当は増配とやや例外となっている。

 それ以外の残り8銘柄は、商船三井と同様に今3月期業績を上方修正し配当も増配するなどファンダメンタルズは良好である。コード番号順にあげると朝日工業社<1975>(東1)、クロスキャット<2307>(東1)、アズマハウス<3293>(JQS)、ジーダット<3841>(JQS)、バリューHR<6078>(東1)、シグマクシス・ホールディングス<6088>(東1)、商船三井、オプティマスグループ<9268>(東1)となる。商船三井は、PERは2.0倍、配当利回りは9.7%とまだ超割安であり、PER評価ではオプティマスが5倍台、アズマハウスが8倍台、朝日工業社が12倍台、配当利回りでは3社とも4%台乗せとなっているのが目立つ。

■高配当銘柄も業績上方修正、低PER・PBRが併立し「ニューノーマル」

 増配銘柄で業績を上方修正しなおかつ配当利回りランキングの上位にランクする銘柄は、もちろんトップの日本郵船、第3位の商船三井はマークから外せない。これ以外の「重厚長大」系の該当株では、まず大手鉄鋼株が追随する。ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>(東1)は、配当利回り7.9%でランキングの第5位に位置し、日本製鉄<5401>(東1)も6.5%の第13位で、PER評価はそれぞれ7倍台、6倍台、PBRも各0.5倍、0.6倍と市場平均を大きく下回り、「動かざること山の如し」の『風林火山』の例えがウソのような「ニューノーマル」となっている。鉄鋼商社の配当利回りも日鉄物産<9810>(東1)は5.8%、神鋼商事<8075>(東1)は、5.5%、同じ商社株の住友商事<8053>(東1)は5.3%、双日<2768>(東1)は5.1%といずれもトップ100にランクインしている。

 金融株ではあおぞら銀行<8304>(東1)が5.6%、愛知銀行<8527>(東1)が5.4%で上位に食い込み、ハイテク関連では三信電気<8150>(東1)が6.0%、日本特殊陶業<5334>(東1)が5.2%と健闘し、不動産ではケイアイスター不動産<3465>(東1)が、配当利回り5.3%、PER5倍台で割安放置をアピールしている。トップ2社が上位独占の海運株では、配当利回り6.2%のNSユナイテッド海運<9110>(東1)や同4.8%の川崎近海汽船<9179>(東2)が、追撃の狼煙を上げそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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